マラソン大会に向けて調整するというのは健康診断に向けて減量するのと同じ

相次いでマラソン大会が中止や延期、そして縮小をしていて、SNSでは出場できなかったランナーたちの声にならない声(本音を言ってはいけないという雰囲気を察しての発言)を連日のように見ています。そういう投稿の中には「長い時間かっけて調整してきたのに」という声も少なくありません。

私も同じように毎年のように愛媛マラソンに向けて調整してきた身ですから、そのやるせなさは分かります。ただ、客観的にそれらの投稿を読んでみると、自分がやってきたことも含めて、実は根本的に大きな間違いをしているのではないかという気になってきました。

私たちランナーは「マラソン大会に向けて調整する」のがあたり前になっていますが、それって「健康診断に向けて減量する、禁酒する」というのと同じで、走らない人からすれば滑稽に見えるんじゃないかなと。テスト前に慌てて徹夜するのってかっこ悪いじゃないですか。

もちろんトップアスリートはレースにピークを合わせる必要がありますが、一般のランナーの目的は走力や体力の向上であり、マラソン大会でのタイムというのは、現時点での自分のステータスを表す項目のひとつでしかないはずです。

本当に大事なのは、ナチュラルな状態でのステータスであり、ピーキングをしたときのステータスではありません。だって私たちはナチュラルな状態でいるときのほうが多いわけですから。だとしたら、レースに向けて調整するというのはランニングの本質から外れているのではないでしょうか。

ピーキングをしてサブ3を達成するのではなく、どんなときでもサブ3.5を出せる。この場合での数字は例えでしかありませんが、後者のほうが重要でそういう自分を目指すべきなんじゃないかなと思うわけです。他の人がどう感じるかは知りません。

サブ3を目標に頑張って、レースが終わってしばらく休養期に入り、気がついたらサブ3.5も難しくなっていて、また体を作り上げていく。私はこれまでそういうサイクルでランニングと向き合ってきましたが、そうじゃなくていつでも、走力がフラットに安定しているほうがいい。

もちろん、それを高い次元でできることが理想です。いつでも3時間30分で走れるよりも、いつでも3時間20分で走れる自分を目指しますが、大事なのは「いつでも」です。愛媛マラソンに向けて調整するのではなくて、高い状態を維持したまま愛媛マラソンを走って、あたり前に結果を出す。

そういうスタンスでいれば、きっとマラソン大会が中止になったことでショックを受けることもなく、淡々とトレーニングを継続できるような気がします。それって面白くないよねと言う人もいるかもしれませんが、そこは好みが分かれるところ。

私はいつでも走れる自分でいて、大切な人が困っているときに走っていくしかないとなったとき、躊躇なく走り出せる自分でありたい。そういうときに「最近練習できてなくて走れる自信がない」というのは絶対に避けたいんです。その距離がどれだけ長くても。

なので来年の愛媛マラソンの目標をサブ3にしていましたが、これはピーキングなしでサブ3を狙うに変更します。いつでもサブ3を出せるよという自分にまで引き上げる。そのつもりで練習と向き合い、高いモチベーションで走り続けること。

別にピーキングを全否定しているわけではなく、これは生き方の問題です。私は走力も感情もいつもフラットでいたいタイプの人間。波を作らずに穏やかに過ごすのが好き。だからきっと「◯◯マラソンのために」を手放したほうがいい。そんなことに気づいた土曜日の午後でした。

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