進化するシューズと退化する足【担当者の執念や狂気を感じる面白さ】

進化するシューズと退化する足【担当者の執念や狂気を感じる面白さ】

日比谷のラフィネネオで、発売されたばかりのナイキのランニングシューズ「ペガサス39」がレンタルされていたので、練習会前に借りて皇居を走ってきました。シューズのレビューはRUNNING STREET 365に書くので、ここでは詳細は書きませんが、いいシューズに仕上がっていました。

「いいシューズ」としての表現がこれで正しいのかはわかりませんが、「廉価版ペガサスターボ」といったいった感じ。ある部分ではペガサスターボと同等のスペックを備えているので、これまでペガサスを履き続けてきた人には、最高の1足になると思います。よくもまぁあそこまでチューニングしたものです。

開発責任者が誰なのかは知りませんが、今回のモデルからは執念のようなものを感じました。これも表現としては不適切かもしれませんが、狂気を感じるくらいのこだわりが詰まっていて、ナイキにしてみれば、それくらい重要な位置づけのランニングシューズなのかもしれません。

久しぶりに「ペガサス買っておけばいいんじゃない?」と勧められる仕上がりになっていますが、じゃあ今の日本で売れるのかというと、それは難しいところ。なぜなら日本にはワークマンがあるから。シューズを借りる前に、今日から銀座にオープンするワークマン女子のお店を取材しましたが、今のところ無敵。

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980円〜2,900円の価格帯で、レースモデルからジョグシューズ、サンダル、防水シューズまで揃います。全部買っても1万円でお釣りが来ます。980円のシューズを除けばデザインもまずまずです。防水シューズは笑えるほど快適で、今年の梅雨は重宝することになりそうです。

安いだけでなく、ワークマンのシューズも着実に進化しています。進化にある程度の天井があるわけですから、当然のことながらシューズスペックの差は時間とともに縮まっていきます。狂気を感じるほどのチューニングをしても、ワークマンのシューズが低コストを武器に追いかけてくるわけです。

すごい時代になったものだと思いながら、それに対して履く側の人間はどうかというと、全体的に走力は落ちているような気がします。コロナ禍で一時的な低下と思いたいところですが、走力とは別に足の感覚も弱ってるんじゃないかと、クリールのシューズトライアルを走ってて感じました。

シューズの特性を感じながら走って、その評価や良さを熱く語る人は珍しいらしく、どのブースでも話が盛り上がったのですが、そういう楽しみ方をしているのは少数派。大抵の人は「なんとなく」の違いを感覚的に評価するだけ。おそらくヨネックスのシューズのテクノロジーなんて気づかないのでしょう。

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私に特別なスキルがあるわけではないので、本来はすべての人が、シューズの特性を感じて評価できるはず。細かな違いを感じ取って、それを酒のつまみに何時間でも語れるはず。でも現実はそうでもなく、感覚は明らかに退化しています。その理由のひとつがランニングシューズの進化にあるような気がします。

この数年でランニングシューズは大きく進化しました。5年前のモデルはもう古くさいもので、最新のシューズと比較になりません。最新モデルはどれも足に優しく、走りやすく仕上がっています。こうなると足の繊細な感覚なんて必要なくなります。走りも雑になっても結果を出せます。

それじゃあいかんだろうと、声を大にして言っているのが裸足ランナーたち。あの人たちはシューズにケチをつけることで、自分たちのアイデンティティを守ろうとしているだけなので、言ってることは論理的でないことが多々ありますが、シューズに頼りすぎているという部分では私も考え方は一緒。

頼りすぎて何が困るかというと、開発者の執念や狂気を感じられなくなるということ。そんなものマラソンのタイムにはまったく関係ない?だからどうした(ひどい言い草)。シューズは人が履くもので、人が作るもの。そこに物語があったほうが面白いじゃないですか。私たちはお互いに影響しあって生きているわけですから。

RUNWAY練習会開催中

効率のいい体の使い方を中心とした練習会を毎週水曜日に日比谷で開催しています。記録が伸び悩んでいる人や、ケガをしにくい走り方を身に着けたいという人のための筋トレ&走り方講座中心のトレーニングを行っています。

日時:毎週水曜日19時〜20時30分
場所:日比谷公園
参加費:2,000円
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