弾丸海外マラソン第一弾「グアムインターナショナルマラソン」

弾丸海外マラソン第一弾「グアムインターナショナルマラソン」

P4110112

会社を休まずに海外でフルマラソンを走って、なおかつ観光も楽しんで戻ってくることが可能なのか。そんなわたしが思いついたのが弾丸海外マラソンだ。その第一弾として選んだのがグアムインターナショナルマラソン。金曜日の夜に成田空港を出発し、土曜日いっぱい観光した後、マラソンがスタートした。

P4120010

スタート時刻は午前3時。日中の灼熱の太陽を避けてのことだが、実際はかなり蒸し暑い空気に包まれている。睡眠時間は4時間半取ったつもりだったが、寝坊するのがこわくて1時間おきに目が冷めていた。そういえば、グアムに降り立ったのはちょうど24時間前。観光もしなければと少し早起きしたせいもあって睡眠時間がまったく足りていない。

P4120052

グアムにつくまでは裸足で走ることも考えていたのだが、荒れたアスファルトを見た瞬間に裸足は断念。ただ、1人だけベアフットでの完走者がいるのをゴール前で見たとき、ちょっと悔しさが湧いてきた。裸足でないのなら速く走ろう。どうせなら年代別の入賞と考えたのはそこからだった。

P4120051

ところが、まずランニングウォッチをホテルに忘れている。緊張感がないのはたった24時間でグアムののんびりした空気に順応したせいなのだろうか。とにかく自由に走ろう。その結果3時間半ぐらいなら入賞できるかなという甘い考えだった。25℃を超える気温はそんな甘さをきれいさっぱり溶かしてくれる。

P4120025

スタート前はちょっとしたお祭り騒ぎ。DJが騒ぎ、ダンサーが踊る。午前3時前の出来事だ。日本だったら即刻苦情が来て中止させられるだろう。河童に半被という格好もそれほど浮かないかと思ったが、ほどほどに浮いていたらしい。スタート前にインタビューを受けたのだが、毎度のように普通のことしか言えない自分にヘコむ。

P4120080

さて号砲だ。スターターはQちゃんこと高橋尚子さんと、グアムの偉いさん。グアムの偉いさんは明らかにパジャマズボン。そして、スタート直後いきなりの上りが続く。スなぜだか脇腹が傷むので、無理の無いスピードでまずはフォームを整える。結局この作業に10km近くかかってしまった。

P4120082

10kmを超えたあたりからいつもの走りになったのだが、15km手前で失速。理由はわからないがとにかく足が前に進まない。この時点で風はゆるやかに追い風なのだが、走ることによって実際は無風状態。体にどんどん熱が溜まっていたのかもしれない。エイド毎に水をかぶり、体を冷やすとスピードが戻る。

P4120101

エイドには水とスポーツドリンクとときどき食べ物があるのだが、暗いので食べ物が把握しきれず、結局食べたのはドライマンゴーとイチゴだけ。ただ、エイドはどこもお祭り騒ぎなのでちょっと元気が湧いてくる。コスチュームを褒めてくれたり、「がんばって」と日本語で声援をくれたり。エイドポイントは加速ポイントになる。

P4120090

25km地点ぐらいから空が徐々に明るくなってきた。日の出は確か6時過ぎだったはず。このときすでに入賞なんて吹き飛んでいて、なんとかしてゴールにたどり着かなくてはならないという切迫感が高まっていた。なぜだかわからないがスタート前にラン仲間が送ってくれたLINEの松岡修造スタンプの「いますぐサバになれ」が何度となく脳内再生される。

P4120096

とにかく辛かった。タイムも出ない。気持ちよく走ることも出来ない。モチベーションが下がりそうになったとき、わたしは気持ちを切り替えた。「今日を自分史上最高に一日にするために頑張ろう」と。結果ではなく、全力を尽くして自分を出し切った、走りきったのだと思える走りをしよう。

P4120100

そこからはもう歩きたくなる自分との戦い。緩やかなアップダウンを繰り返すので、上りになると足が止まりそうになる。でもここで止まったら自分史上最高の一日なんて言えなくなる。自分史上最高の一日にするために、この坂道を走り切る。この一歩に魂を込める。そんな想いで走り続けた。

4時間14分25秒。

P4120106

近年まれに見るひどいタイムだ。弾丸海外マラソンがこんなにも厳しいものだったとは思いもしなかった。でも、自分を出しきることができたし、海外マラソンでも多くのランナーに声をかけることができた。沿道の声援にも応えることができた。自分らしい走りを続けられたと自信を持って言える。

P4120119

自分を出し切ってゴール後に飛び込んだ海の気持ちよさは格別。そして体を冷ましたあとはゴール前で戻ってくるランナーたちを拍手で迎える。結局1時間半近く最終ランナーが通り過ぎるまで手を叩き、声を送っていた。5時間台、6時間台のランナーはわたし以上に暑さとの戦い。本当に苦しいだろうけど、最後はみんないい顔をしている。

P4120244

すべてを出し切ったのはわたしだけではない。ゴール前でランナーを迎えていた高橋尚子さんも、何度も何度もランナーと手を繋いでゴールをしていた。タイムに関係なくここを走りきった人たちを讃えずにはいられない。走りながらそういう声援を貰ったし、わたし自身そういう声援を送りたかった。高橋さんもきっとそうだったのだろう。

P4110207

こんなつらくて厳しいマラソン大会はそうそう経験できない。それでいて、また走りたいと思えるのはやはりグアムのせいだろうか。また自分を出し切る走りをしたい。自分を出し切った人たちに声を送りたい。わたしはまたここに戻ってくるのだと確信しながら会場を後にした。このマラソンは一度走ったものを虜にする魅力がある。

RUNNINGカテゴリの最新記事