UTMFに出場するランナーがたどり着くゴールの先にあるもの

UTMFに出場するランナーがたどり着くゴールの先にあるもの

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雨の中スタートした今年のUTMF。この記事を書いている地点でSTYはまだスタートしたばかりだが、こちらは雨は上がり、少しだけだが青空も見える。どちらも長い旅路になる。トレイルランナーたちはその旅の先で何を見つけるのだろうか。

レース中に雨が降っていようが降っていまいが、前日までの雨ですでにトレイルはぬかるみ状態になっている。走りたくても足が滑って走れない。下り坂や上り坂では前が詰まって大きな渋滞ができてしまう。

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トレランは「競争」のようでありながら、その本質は「協調」にあるようにわたしは感じている。自分だけがよければいいという発想では走り切ることは出来ない。特に100マイル以上のレースになれば周りはみんなともにゴールを目指す仲間である。

だから、思うように走れなくてもそれを受け入れるのがトレランなのだろう。

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精神的にかなり強くならなければUTMFのようなレースを走り切ることは出来ない。そして精神力だけでもダメなのだ。やはりきちんとした走力も必要だし、何よりも安定しない路面に適応する柔軟性を求められる。

ランナーとしての総合力、人間としての総合力が求められる。

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100マイルの距離は仏教の経文原典を求めて旅をした蔵法師の道のように険しい。その過程で自らを成長させなければ決してUTMFのゴールは近づいては来ない。

こんなに苦しいレースなのに、UTMFやSTYを走りたいというランナーが後を絶たない。「もう二度と走らない」と口にした人でさえまた戻ってくる。それは走り終えた自分に多少なりとも変化を感じたからではないだろうか。

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速い人で20時間、遅い人で46時間も自分と向き合うことができる。日常生活でこんな長い時間、自分と向き合えることはほとんどないだろう。変わらないわけがないのだ。精神的にも肉体的にも。

そうして100マイル以上の距離を走り終えて、トレイルランナーたちはフィニッシャーベスト以上の何かを手にするのだろう。決して他のレースでは手に入れることのない揺らぎようのない自信。ともに駆け抜けた仲間たちとの濃厚な時間。

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トップでゴールしたランナー、途中で走るのを止めなければいけなくなったランナー、それぞれに得たものがあるのだろう。いまは喜びや悔しさにまぎれて見えないかもしれないが、それらは数日後にふと現れ心を支配していくはずだ。

UTMFを走ったものでなければわからないことがある。トレイルのレースが嫌いなわたしにはかなり高いハードルが待っているが、クレイジーランナーの端くれとしてUTMFを走り、彼らが見た景色をわたしも眺めてみたい。同じ場所に立ってみたい。

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いまわたしの気持ちに小さな火が灯っている。

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