ランニングに腕振りは必要?ランナーはなぜ腕を振ってしまうのか

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昨日のブログに書いたのだが、「ランニング中の腕振り」は本当に必要なのかについて書いてみよう。大体わかっていると思うがわたしは「腕振り」は不要だと思っている。いや、ある範囲の人たちにとってのみ腕振りは有効だと言いたい。

ランニングを教える人はたぶん100人いれば100人とも腕振りを重視し、いかにして腕を振るかを一生懸命指導している。1000人いれば2人ぐらいは「腕振りは重要でない」と言う人もいるかもしれないが、わたしはいまだ知らない。

そもそもフルマラソンを2時間ちょっとで走る、もしくはそこを目標としている人と、5時間から6時間かける人のフォームが同じ方向性でいいのかという疑問がわたしにはある。

トップランナーが6時間かけてフルマラソンを完走する市民ランナーを見て「私にはとてもできない」と言った話が本当かどうかはわからないが、実際に実業団レベルの選手がフルマラソンを6時間かけて走るのはかなりきついだろう。

彼らは全身の筋力をギリギリまで使いきって走り切る。いかに効率よくというよりはいかにすべてを出し切るかが重要で、マラソン大会翌日の満員電車など気にしなくていい。当日帰ってから家族の食事を用意しなくてもいい。

そういうトップランナーはすべてを出し切るために身体を捻ってその反発力を推進力に変える走り方がふさわしい。一歩でも前に進むための踵着地も必要だろう。筋肉を使い切るのが早いか、ゴールするのかが早いかのチキンレースを彼らはしている。

それに対してとにかく完走が目標な人たちは何のために腕を振っているのだろう。そう習ったから?速く走れる…気がするから?

ほとんどのランナーにとって大事なのは腕振りではなく肩甲骨の動きだ。肩甲骨の動きを推進力に変えるために腕を振っている。肩甲骨を自在に動かすことが出来ないから腕を振る。そして「腕振りが大事」という思考になる。

大事なことだからもう一度書いておく。大事なのは腕振りではなく肩甲骨を動かすことだ。

だから本来なら最初から肩甲骨を動かせばいい。少なくとも150年前の日本人はそういうことが自然に出来ていた。人間が本来持つ能力なのだから練習次第で誰でもできるようになる。

肩甲骨が動いた結果として腕を振るならわからなくもない。腕を振って肩甲骨を動かすのは効率が悪いだけではなく、実は非常にむずかしい。腕を振ることで手足がまったく連動せずバラバラになっているランナーを何人も知っている。

トレーナーたちはそうならないための技術を教えているのだと信じたい。

だから腕振りが全面的に悪だとは言わない。でも独学で行う無闇な腕振りよりはリラックスさせて自然に動かすほうがエネルギー消費も少ないし、何よりも体がバランスを崩すこともないからケガもしにくいはずだ。

少なくとも飛脚や走って狩猟する民も腕振りを重視したりはしなかったはずだ。わたしが知るかぎりララムリもそう。腕の動きは自然と後からついてくる。

ただね、腕を振ったほうがかっこよく見えるのは間違いない。アスリートな感じはする。わたしのランニングフォームではどれだけ結果が出てもスポーツブランドのCMなど来ないことだけは自信を持って断言しよう。

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