クエン酸とアミノ酸の正体とランニングにおける効果

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ランナーにとってクエン酸とアミノ酸の摂取は、もはや常識となっていますが、クエン酸とアミノ酸がなんなのかを理解していない人が多いかもしれません。

よくわからないけど、体にいいみたいだから摂ってみる。

これ最悪です。

似たようなことで「テレビで健康には◯◯がいいって言ってた」というケースも、なぜテレビで言ってたことがそのまま正しいと受け止めるのか、ちょっと冷静になって考えてほしいところ。

話を戻してクエン酸とアミノ酸。

ヘタすれば、クエン酸もアミノ酸も同じ酸で仲間だろうぐらいに考えている人もいるかしれません。まずはそこの理解のところから。

目次

クエン酸って何?

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クエン酸はC(OH)(CH2COOH)2COOH。これは覚えなくていいです。クエン酸と書かれているから「クエン」が外来語だと思われてますが、「クエン=枸櫞」はい日本語です。

枸櫞はレモンの仲間。枸櫞に含まれる酸味だから枸櫞酸(クエン酸)。

常識?

「クエン酸が乳酸を減らすためクエン酸が疲労回復に役立つ」これが以前の常識でしたが、乳酸が疲労物質ではないことが発覚してから、「じゃあクエン酸は必要ないやん」説が浮上。

多く人が、「クエン酸が疲労回復に役立つ」か「クエン酸は必要ない」のどちらかにいます。

実際のところどうなのか。

疲労は「細胞がダメージを受けている」状態なので、ここから細胞を回復させるのにアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれるものが必要になります。

また「酸」がでてきてややこしい・・・

このATPを生成するのがATPサイクルと呼ばれ、ATPサイクルを活性化させるのにクエン酸が役立っている。というのが今の主流の考え方。

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1周まわって「クエン酸は疲労回復に役立つ」に戻ってきたところです。

ただクエン酸がどれぐらいの摂取で、摂取からどれ位の時間が経過すれば疲労回復に役立つのかはほとんど語られません。

一部の実験では「クエン酸が運動のパフォーマンスを上げることはない」という結果も出ています。ただ、これもどこまで精度が高い実験かは分かりません。

ただはっきりしているのは「クエン酸を摂った。急に走りが良くなった」とはならないということ。クエン酸がランニングにどれけの効果があるのかは「分からない」ということです。

効果があるかもしれないし、効果がないかもしれない。まぁプラシーボ効果はあるので・・・ね。

じゃあアミノ酸はどうなの?

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アミノ酸は簡単にいえば「タンパク質」です。いや、正確には「タンパク質はアミノ酸が集まってできたもの」と表現すべきでしょうか。

アミノ酸なんて言葉を使うからややこしくなります。「アミノ酸はタンパク質」細かいことを言えば「そうじゃねぇよ」というクレームが来ることを承知でそういうことにします。

激しい運動をすると筋肉のタンパク質を分解して体にアミノ酸などをエネルギー源として供給します。だったらアミノ酸を摂取しておけば、筋肉のタンパク質がなくならないからいいんじゃないという考え方。

そして、運動後も損傷した筋肉の回復のためにもタンパク質としてのアミノ酸は有効という話です。

肉食べておけばいいんじゃね?

それも一つの正解な気がします。アミノ酸を大絶賛売出し中の味の素でさえ、通常の食事でアミノ酸は足りていると言っていますから。

アミノ酸は結局サプリメントのようなものなんです。

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なのでクエン酸と同じく「アミノ酸を摂った。急に走りが良くなった」とはなりません。それどころか、アミノ酸の摂取で記録が伸びたという実験も、持久力がアップしたという科学的見地からの検証はほとんどされていません。

だからアミノ酸はいらないとは言いませんが、「ランニングにはアミノ酸がいい」って言うのもどうかと思います。

空腹で走れないときにおにぎりを食べて、再び走れるようになったとき「おにぎりはランニングに効く」っていうようなレベル。

それはちょっと暴言か・・・

でも例えばアミノバイタル1包で取れるアミノ酸は2.2gです。セブン-イレブンの焼鮭のたんぱく質15.9g。なんならナトリウムは410mg。

セブン-イレブンの焼鮭がランニングに効く説を広めていいですか?

たんぱく質とアミノ酸だから細かいところは違いますし、まさかランニング中に焼鮭持って走るわけにはいきませんので・・・

大事なのは鵜呑みにしないこと

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結局何を言いたいかというと、決してクエン酸とアミノ酸が良くないなんてことを言いたいわけでもなく、味の素を敵に回したいわけでもなく、「良いと言われてるから良いからは卒業しましょうよ」って話。

本当に効果があるのかもしれませんが、少なくとも最近の大塚製薬はアミノバリュー推しから、ポカリスエット推しに明らかにシフトしています。

東京マラソンのドリンクもポカリスエットだったのを覚えている人もいると思います。

世の中の常識なんて時代とともに変わっていくので、常識という範囲では決して「真実はひとつ」ではないんです。

むしろ真実は闇の中。

誰かが良いよって言うから試してみる。これはいいですし、わたしもいつもやることです。でも、「誰かが良いって言ってたから良い」は思考停止。

「あいつは良くない奴だ」と誰かが言って、それがクラス中に広まって・・・これはもう日本人の特質というか民族性なんでしょうね。

だからこそ「本当に?」の感覚は重要です。自分で試して、自分で感じて判断する。これが楽しい。

いきなり正解を渡されても・・・ね。しかも本当に正解かどうかもわからずに「これが正解だから」って渡される。

まぁ楽して効果を得たいという気持ちもわかりますが、何ごとも鵜呑みにだけはしないようにしてください。

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