ランナーはもっと背中の筋肉を意識したほうが良い

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世界の人まではわかりませんが、いまの日本人のランナーに圧倒的に足りないもの。それが背中の筋肉。それも内側の筋肉です。

昔の人は農業などで鍬や鋤を使うため、自然と体を使えていたし、お侍さんだって毎日刀を振っていたわけです。体を使うのがあたり前だった時代は過去のもの。

背面の筋肉を使わなくなった結果、肩が前に入った姿勢になり、猫背のような腰が曲がった人が増えています。

わたしは体をアーチのように反らす走り方を提案していますが、背中の筋肉は体を捻る従来の走り方でも重要なキーワードになります。

体を捻るにしても反動を使って走るにしても、結局のところ・ランナーは肩甲骨の連動という束縛から逃れることはできません。

「しっかり腕を振って走れ」と教えられても、腕を振ることが目的になって、骨盤の動きとまったく連動していない多くのランナーたち。腕を振ることで体の軸がブレまくっている人たち。

ランニングの世界でも体幹の重要性はすでに定着していて、体幹を整える練習に取り組んでいる練習会もあります。個人で取り組んでいる人もいます。

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でもその体幹トレーニングって、感覚的に9:1くらいで腹筋が中心になってませんか?

背中側の筋肉って可動域がものすごく狭いので、練習として地味なんです。いや、インナーマッスルを鍛えるトレーニング自体がとにかく地味ですが、背中の筋肉はさらに地味です。

背骨がキレイなS字を描いている状態を基準にしたら、そこから背中の筋肉を圧縮するにはほんの数ミリ腰を入れるだけ。

壁に向かってまっすぐに立って、腕をまっすぐに壁に当ててみてください。その状態から腰基準で壁側に押し出してください。体はほとんど動いてないですが、背中にグッと力が入ると思います。

これが背中の筋肉の圧縮です。

人によってはまったく分からないかもしれません。そもそもまっすぐに立ててない場合は、腰で押すことができません。

体幹トレーニングでは一応、この筋肉を使うメニューも入っています。でも地味すぎるのでわりとサラッと流されています。「いや、きちんとやってる」という人たちがいたらすみません。

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背中の筋肉がしっかりついている良い例が、水泳選手です。ちょっとアウターの筋肉がつきすぎている選手も多いですが、猫背の水泳選手ってほどんどいません。

じゃあ水泳選手がランニングをしたら速いのかというと、それはまた別の話ですが、上手にアウターの筋肉を落とすことができれば、かなり速く走れるとわたしは思います。

相撲界でも背中の筋肉が強いモンゴル勢が常に上位に入り、日本人力士の活躍は年に1,2回あるかないか。

大横綱白鵬が入門した当時、相撲界はマシンを使った筋トレが流行りだったらしいのですが、白鵬の親方は従来からのトレーニング方法にこだわったそうです。

四股や鉄砲、非科学的とも言えるそれらの練習が白鵬の体を守ったのかもしれません。反対に今の日本人力士の多くは前側の筋肉ばかりが強くなって肩が前に入り過ぎています。

もちろん科学的なのできちんと後ろ側も鍛えてる・・・つもりなんでしょう。

この「鍛えてるつもり」は、ほとんどのスポーツで共通しています。鏡の前に立っても背中の筋肉が見えないというのも軽視されている理由のひとつですが、本当に必要な量の半分も鍛えていない気がします。

それどころか、「背中にハリがある」と言って背中の筋肉を過保護にします。もちろんランナーが背中のハリを放置するのは危険ですが、鍛えている過程でハリが出るのは当然です。

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ランナーはもっと徹底して背面の筋肉を鍛えるべきです。それも背中のインナーマッスルを。最低でも体幹トレーニングやピラティスを継続的に行うこと。

肩甲骨を捻るにしても、真っ直ぐにするにしても、もっと背中の筋肉を意識して走ること。

それだけで走りが随分と安定したものに変わるはずです。

そして何よりも日常生活がものすごく楽になります。腰に負担がかかることもありませんから、立ったり座ったりが苦痛ではなくなります。

長く健康を保ちたければ、背面の筋肉を意識すること。腹筋と同じくらいしっかりとした質の高い筋肉をつけること。ランナーとして、アスリートとしてではなく人間として求められています。

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