大阪マラソンで裸足ランナーが走るのを止められた件について

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大阪マラソンで裸足ランナーが、裸足であることを理由に走るのを止められるというようなことがありました。詳しくは本人のブログを参考にしてもらいたいのですが、その話からどうやら色んなところで、同じようなことがありそうなので記事にしました。

醤油屋のナチュラルトレイルランニング:大阪マラソン

まずはっきりさせておかなければいけないのは、マラソンを裸足で走ってはいけないというルールはありません。マラソンの競技規則としては「靴を履いて競技をしてもよい」になっています。

陸上競技というのはそもそも平等性を大事にするスポーツです。ですので、レース中にスマートフォンを持って走るのはNGです。ナンバーカードを切ったり折ったりするのも禁止です。

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基本的に助力があった場合には失格となりますので、規定の場所以外での給水もできません。

貧しい人も裕福な人も、スタートラインに立ったら平等な条件で競い合うのがマラソンです。でもさすがに裸足で42.195kmを走るのは危険なので、シューズを履いていいよというのが現行のルールです。

このシューズというものにもきちんと規定があります。「競技者に不正な付加的助力を与えてはいけない」となっていますが、この付加的助力で「BOOSTはいいのか?」「ナイキのカーボンプレートはいいのか?」という話が出てきます。

BOOSTもカーボンプレートも、力を付加しているわけでないので、ルール上は何の問題もありません。しかも国際レースではIAAFによって承認されたシューズでないといけません。例えばワラーチなどは認められないわけです。

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だいぶ話がズレてしまいましたが、大阪マラソンで裸足ランナーが止められる理由はどこにもありません。

ローカルルールというものもありますが、大阪マラソンに裸足禁止というようなルールはありません。そもそもそれは陸上競技の規則を覆すようなルールになるので、公認レース公認大会では絶対にありません。

問題になった横浜マラソンですら「裸足はご遠慮ください」となっています。禁止項目ではなく自粛項目になっているので、別に裸足で走ってもいいわけです。遠慮するかどうかは個人の判断次第です。

わたしはこれまで18回ほど裸足のフルマラソンを走っていますが、一度も注意されたことがありません。

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ただしチップに関しては厳しくチェックされます。足の甲にきちんと付いていないと止められます。これは計測ができない可能性があるので当然です。

プレートタイプのチップは足首に巻いてはいけません。手に持つのもNGです。ゴムバンドで足の甲に固定するか、そうでなければ、足首計測用のチップを借りてください。

ただ今回は、なぜ止められたのかということがわかりません。

止めた人がそういうルールだと思いこんでいたのでしょうが、なぜそう思い込んでいるのかすらわかりません。止められた人は強引に走って無事完走できたそうですが、正直納得がいかなかったことと思います。

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でも、自分が同じ状況だったらどうするだろう?そういうことを考えてみました。

きっと走るのを止めると思います。でも納得がいかないので、「もしそれが嘘なら、ホテル代と交通費と参加費の損害賠償請求しますよ」くらい言ってしまったかもしれません。

ときどき大人気なくなるんです。裸足の河童は。

基本的にわたしは理不尽なものからは逃げるタイプです。会社員であることからも逃げ出したくらいですから。ですので「裸足を遠慮しろ」とした横浜マラソンには二度と出るつもりはありません。

そういうことがあったという大阪マラソンも出ることはないでしょう。大阪マラソンがこの件に関して正式なコメントでも出せば別ですが、そんなことは絶対にしないでしょう。

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わたしが大阪マラソンに出ない宣言をしたところで、大阪マラソンの関係者は誰も困らないと思います。わたしだけでなく、すべての裸足ランナーが出ない宣言をしても痛くも痒くもないはずです。

むしろケガのリスクが減ると思って喜ぶのでしょう。

これがマイノリティでいるということです。マイノリティはいつの時代でも切り捨ての対象です。切り捨てられても生き抜いていくために、マイノリティは集団になります。集団になると存在感が出るのでさらに迫害されます。

それでもマイノリティでいること。そこには強い信念が必要です。

でもそれは難しいことではありません。裸足で走ることを楽しんでいればいいだけです。レースなんかにこだわらずに、気持ちよく好きな道を駆け抜けていればいいんです。

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大学時代の恩師がよく言っていました。「わざわざ自分で不正を叩かなくても、不正をしたものは必ず天が罰してくれる」これは真実だとわたしは信じています。

横浜マラソンがいろいろうまくいかないのが天の裁きだなんてことは言いませんが、評価が上がらないのは「裸足はご遠慮ください」の文言とまったく無関係ではありません。

そして大阪マラソンも、ルールにもないことで裸足ランナーを止めるのであれば、同じようにどこかで必ず崩れていきます。それは氷山の一角でしかなく、違った理不尽があちこちに出ているはずです。

その結果どうなるのかは、言うまでもありません。

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フルマラソンを裸足で走ること。シューズメーカーがスポンサーになっている大会では、これからどんどん難しくなっていくかもしれません。下駄が禁止されている大会はすでにいくつもあります。

そんな状況で裸足ランナーがどう走り続けるのか。

答えはいくつもあると思いますが、ひとつだけはっきりしているのは、裸足ランナーが止められてしまう可能性があるのだということを常に頭の中に入れておく必要があるということです。

それを前提にして、裸足ランナーがそれぞれ自分なりの答えを見つけてもらえればと思います。


無理」の構造――この世の理不尽さを可視化する
著者:細谷 功
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