裸足ランナーに不足しているのは技術ではなく練習量

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少し思うところがあり、しばらく裸足ランニングについてのわたしの持っている知識を書いていこうと思います。ただし、わたしの裸足は完全に独学ですので、その点だけ頭に入れておいてもらえればと思います。

まず今回書くのは、裸足ランニングを始めたばかりの人に共通する悩みのひとつである「長い距離を裸足で走れない」という問題です。裸足だと10kmも走れないという人も多く、フルマラソンなんて絶対に無理という人もいるかと思います。

そういう人たちは、なぜか上手に裸足で走る技術がないから走れないのだと思っているようですが、わたしの感覚では裸足で走る技術なんてものはありません。

足りないのは技術ではなく練習量です。

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裸足ランニングを1年間毎日続ければ、フルマラソンを歩かずに完走できるだけの走力があれば、誰でも裸足でフルマラソンくらいの距離は完走できるようになります。練習の路面はどんな路面でも構いません。足に優しいウレタン舗装のコースでも大丈夫です。

むしろ、荒れたアスファルトで走り出すのは止めておいたほうがいいかと思います。物事には順序というものがあります。まずは、42.195kmに耐えられるだけの足を作らなくてはいけません。

足裏もそうですし、筋肉もそうです。足裏は比較的早い段階で作れますが、筋肉はそうもいきません。本当なら走るための筋肉は3年かけて作り上げるものです。1年間で作れるのは完走できるギリギリの筋力です。

それくらい時間をかけて体を作らなくてはいけないのに、練習もせずに小手先のテクニックだけでなんとかしようとする。そして「長い距離を走れない」と言うのはないものねだりです。

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テクニックというのは、まず体を作ってから身につけるものです。基本が出来ていないのに接地方法やフォームをあれこれいじったところで何にもなりません。

「そんなことはない、ほとんど練習せずに裸足でフルマラソンを完走した人を知っている」という人もいるかもしれませんが、「それがどうした」としか言えません。

その人が練習せずに裸足でフルマラソンを完走できたことと、あなたが裸足でフルマラソンを走ることに何の関係があるのでしょう?他の人ができたのだから自分もできるというのは驕りです。

自分ができない子であること、自分の弱さをを認めないことには1歩も前には進めません。

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1年間毎日というのは極端な話ですが、裸足でフルマラソンを完走できるようになるにはそれくらいの気持ちは必要です。

そこまでランニングに時間をかけられないというのは理解できます。人生は走るためにあるわけではないという人の方が多いわけですから。でも、何も手放さずに何かを手に入れようなんて都合のいい話はありません。

とにかく距離と時間です。

このブログのタイトルは「月間走行距離なんて知りません」で、ときどき誤解されるのですが月間走行距離は短くてもいいと言っているわけではありません。必要な練習を積み重ねていけば、月間走行距離なんて勝手に増えていきます。

大事なのは練習を積み重ねていくということであり、何キロ走ったかということではないというメッセージが込められています。

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シューズを履いてケガをしたランナーが裸足に救いを求めるというのはよくある話です。わたしもその1人で、裸足で走ることによって救われました。

だから裸足は素晴らしいと思っていた時期もわたしにもありますが、それはただ使っている筋肉が変わっただけのことで、さらに練習量が減ったことでオーバートレーニングを回避した結果でもあります。

ほとんどの人がシューズを履いていたときと同じ練習量をキープできていません。キープすると裸足でもケガをするので止めておくべきですが、問題なのは多少は減るにしてもあまりにも練習量が少なすぎるという点です。

こう書くと「じゃあどれくらいの練習量が必要なのか?」と聞いてくる人がいますが、「そんなものは人によって違う」としか答えられません。

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走り始めて足裏や筋肉に違和感を感じたら止めればいいだけです。これについては明日のテーマにしようと思いますが、裸足で走っててリズムよく走れなくなったら、そこで練習を終わればいいだけです。

どこで走れなくなるかは人によって違います。オーバートレーニングを防ぐために、しばらくは1時間を上限にしたほうがいいとだけ伝えておきます。

ただし、1時間を目標にするのではなく、きれいなフォームで走ることを目標にしてください。痛みで走り方がおかしくなっているのにそれ以上走ることに意味はありません。

すぐに長い距離を走れるようになるわけではありません。走れる距離は100mずつしか伸びないかもしれません。それでも毎日やっていれば1年で36.5km走れるようになるわけです。

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長い距離を走れない裸足ランナーは、100m走れるようになったのに練習を積み重ねないから、また次の練習でも100mしか走れません。ずっとそこで足踏み状態です。

裸足でフルマラソンを完走したいなら、少なくとも3日に1日のペースで走るようにしてください(すでに完走している人は別ですが)。これをせずにテクニックだけでなんとかしようというのは、個人的には邪道だと思っています。

それに加えて持久力を鍛えるトレーニングも必要ですが、その話もいずれ行います。今日のところは「練習量が足りてないのに走れないのはあたり前」だということだけ覚えておいてください。

実際にそれだけのトレーニングをやるかどうかは、自分で決めればいいことです。でも、十分な練習もせずに「走れない」というのは甘えです。


生きている しくみがわかる 生理学
著者:大橋俊夫,河合佳子
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