裸足100km世界記録チャレンジを走りながら気をつけていたこと

IMG 1942

今日は10時間で77.2kmを走りながら何を考えていたのか、どういう葛藤があったのかを書いていくとします。残念なことはここで書いたことが誰かの役に立つ可能性がかなり低いということだけれども。

スポンサーリンク

まず最初に気をつけたのは胃の状態がおそろしく悪いということで、年始の東海道で経験したのは一度痛みが発生するともう手の打ちようがなくなるということ。だから絶対に胃を痛くしてはいけないということ。

簡単にいえばスピードをあげないということなのです、スピードを上げなければ速く走れないわけで、このバランスを取るのに終始苦労していました。

ただ、胃が痛み出すタイミングと糖エネルギーで走るタイミングがほぼ同じなので心拍数が上がりすぎたところでスピードをコントロールすることで7時間はなんとか乗り切ることができました。

残り3時間は薬に頼っていました。7時間を過ぎたところで胃が苦情を申し立ててきました。「そんなに走らないって言ったじゃないか」と。確かに1周でも2周でもいいと思っていたし、この日のコンディションで10時間走るのは想定外でした。

なのでいたし方なく、処方してもらっていた痛み止めの胃薬を飲むことで痛みを回避。

いつもレース序盤にしているのはその日のフォームを整えること。基本のランニングフォームはあるのだけれども、距離や路面、気温他にもいろいろな条件の変化でその日の正しいフォームが違ってきます。

だからまず自然体で走ってみて、着地だとか肩甲骨の位置だとかちょっとずつ微調整するのですが、今回は初めての400mトラックオンリーだったのでとにかく調整ができない。

ずっと左回りなので左足を圧縮して、右足で漕ぐ動作を繰り返すので、ストレートできれいにハマったと思ったフォームがコーナーで崩れるたり、その逆が度々。

どうにもならないので他の人を観察してみました。ほぼ全員が左足圧縮、右足漕ぎで走っていたのですが、問題はその後。ストレートに入ってから100%全員が左右のバランスが崩れた足の運びになっていました。たぶん自分もそうだったはず。

きっとこれが足がおかしくなる原因だと判断しました。きれいに走っているように見えるトップランナーですらストレートでブレているのを見て、わたしは2軸での走法に変更。これがやっとハマってまともに走れるように。

1軸に近い走りをするからブレやすいので、ならばブレにくい2軸の走りを意識すること。スピードは出にくいが、安定の2軸。ウルトラマラソンはどれだけ引き出しを持っているかが強さのひとつの基準になると思っています。

ただその時すでに4時間経過。

体力をだいぶ消耗していました。ただちょうどその時点で風邪のつらさがすっと抜けていく感じがあり、マイナスもプラスもある状態で仕切り直し。

ここから7時間経過までは調子が良すぎて乳酸の需要と供給のバランスが崩れてしまい、足が固まり始めたら歩くか止まるかを心掛けて走っていました。ウルトラマラソンで一番避けたいのは足が動かなくなること。

乳酸が溜まった状態でさらに負荷をかける。トップランナーは別として一般のランナーはこれが一番やってはいけないこと。とにかく足をニュートラルな状態に保つことを心がけます。

問題は7時間経過後に発生です。

想定外の雨。しかもかなり強く降ってきました。雨の何がまずいかというと止まって休むことができなくなること。昨日も書きましたが、わたしが今年の万里の長城マラソンで学んだのがそれです。

雨に濡れて休んだら体があっという間に冷えていきます。とてもじゃないけど再スタートなんてできなくなる。歩きでも同じ。

ただひたすらに体脂肪を燃やして体温を下げないようにする。そのための最低速度というのがあるのですが、レースも終盤になるとスピードの調整がうまくできません。どうしてもスピードが出過ぎてしまって乳酸を処理できなくなる。

最終的には足がパンパンな状態で10時間を走り終えることになりました。

レース全体を通して気にしていたのは顔を上げること、リラックスすること。

体調不良で早々にスピードレースから降りたので、それならば10時間走れることを楽しむ。世界記録の更新間違い人たちと同じ場所で同じことをしているという非日常を全力で心の底から楽しむだけでした。

ときには鼻歌も歌いながら、ときにはBGMに合わせて小声で歌ったりしながら、きっと1人だけ軽いノリで走っていたかもしれません。

ただ残り2時間は必死のパッチでした。そこはもう理屈の外の世界。どれだけ理論を重ねても最後には精神の領域がやってくる。いろいろ言ってもやるかやらないかだけの世界がまっています。

 何度も転びそうになりながら、「1,2、1,2」と声に出してリズムをつくり、とにかく気持ちで前に進みます。もう全部出しきってしまおうと。

ホームストレートでの声援がさらに自分を加速させてくれるので、下手な走りだけはしたくないなと。

結果的には100kmには全然届かなかったですけど、うまく自分をコントロールしながら走れたかなとは思っています。もちろん満足はしていませんが、この日出すべきものは出しきりました。

来年こそは100kmと言いたいところですが、来年の目標は42.195km×2本で85kmに設定かな…

スポンサーリンク