マラソン大会の運営を「みんなで決める」では失敗する理由

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愛媛マラソンに夢中になっている間に、千葉マリンマラソンの誘導ミスについての報告が出ていました。詳細については実際に読んでいただければと思います。

『ハーフの部コース誘導ミスについての経緯報告』

簡単に言えば、現場の責任者が勘違いをした結果ということです。しっくりきませんが、そういう報告ですから事実なのでしょう。それをどうこう言っても始まりません。

さらに、別の箇所で誤ったアナウンスをした走路員がいたとのことですが、そこで声を出してアナウンスをしていたのはQちゃんとわたしだけです。現場にはスタッフもいましたが、彼らはひと言も発していません。

「ゴールは設置していたのに、誤ったアナウンスをした人がいたから混乱した」と。もう千葉マリンマラソンには近づかないようにしようかと思います。

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順序が違います。ランナーが混乱した状態にあり、そこにレース終了の立て看板が出ていたから、高橋尚子さんが混乱を防ぐために、変な形で終わらせたくないからそこに仮のゴールを作りました。

それに対して、「余計なことをした」と言わんばかりのこの報告…

まぁ好きにすればいいかと思います。再発防止のために改善をするようですから。どう改善されたかをわたしが見ることもないでしょうし、今回の件で納得できない人がこれから走らなければいいだけのことです。

ちなみに、今回暫定完走になった人たちは、今年の12月の大会に無料で参加できるそうです。これに関しては公式アナウンスはありません。どっかのなんとか協会のように内々で…という雰囲気しか感じられません。

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臭いものには蓋をするというのが、日本の組織のこれまでのスタンダードでした。これは何も千葉マリンマラソンだけの話ではなく、どこの会社でも、どこの組織でもあることです。

「該当者にはきちんと伝わってるから良いじゃないか」そんな開き直りの声が聞こえてきそうですが。

わたしは、途中で止められた人たちに対して、次回も無料にするのはいい判断だと思いますし、そうして当然だと思います。映画を観に行って、映画館の勘違いで話の途中で終了させられたら、「金返せ」もしくは「続きを見せろ」ですよね。

マラソン大会は返金できませんので、続きを見せるしかありません。

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ただ、こんな判断は当日のうちにできることです。いや、当日のうちにしなくてはいけないことです。即断・即決・即実行。ビジネスの基本中の基本です。

みんなで話し合って、みんなで決める。わたしはこのスタンスが嫌いです。物事を判断するのはいつだって、トップの1人であるべきです。船頭多くても船は山を登るだけです。

トップの1人がすべての責任を持って判断する。こういうスタンスの組織でないと、成長も変化もありません。議論はみんなですればいいのですが、決断するのはトップ1人であるべきです。

人にはそれぞれ役割というものがあります。トップがいて、それを支える人がいて、トップが暴走しないように監視する人や、苦言を呈する人がいる。そういう役割に合わせた組織でないと、判断が常に後手後手になります。

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しつこいようですが、これは千葉マリンマラソンだけのことを言っているのではなく、世の中のあらゆる組織に対してわたしが思うことです。

ただ、そういうワンマンの経営者やトップは組織が大きくなる過程で、どうしても淘汰されてしまいます。組織が何十年も継続すると、ワンマン体制は自然と崩れてしまいます。そして図体だけが大きくて、まともに動くことができない組織ができあがります。

マラソン大会で、トップがはっきりしていない大会は、いつもグダグダな運営になってしまいます。わたしがスポーツ新聞が冠になっている大会を避けているのも、ワンマンの運営ではなく、民主主義的な「みんなで決めよう」という雰囲気が漂っているためです。

要するに誰も責任を取りたくないわけです。「俺に任せておけ」という上司は、もはや天然記念物的な存在ではないでしょうか。みんな失敗を恐れて会議ですら言葉を発しません。

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わたしが毎年走っている24時間マラソンでも、ウェルネスの坂本さんが現場のトップにいるときはきちんとしているのに、坂本さんがいないときには「なんでそうなるかな」というような判断ミスを繰り返していた時期がありました。

最近はだいぶ改善されてきましたが、ワンマンのボスがいるかいないかで、大会の締り具合が違います。

ワンマンと言うと独裁者をイメージするのか、この国ではあまり評価がよくありませんが、少なくともマラソン大会では、強烈な個性を持った1人が全責任を負って判断をする。それが理想だとわたしは思います。

でもきっと千葉マリンマラソンは、もっと「みんなで話し合っていく」方向に向かうのでしょう。もしかしたら、それで最高の運営ができる可能性もありますし、少なくとも彼らはそう信じているわけですから、その道を突き進めばいいのだと思います。

ただ、個人的にはきっとまた何らかのトラブルが起きるのではないかと危惧しています。それが考えすぎであることを願ってはいますが。


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著者:村田 祐造
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