MGC直前!ハダシストによる展望と見どころ

MGCがいよいよ次の日曜日に開催されます。東京オリンピックを賭けたガチンコ勝負だなんて、ワクワクしかしません。だって、4位じゃしょうがないわけです。4位も最下位も同じというシビアなレース。

持ち時間だけでいえば、大迫選手・設楽選手・井上選手で3人は決まります。でも3位はまだ待ちの状態になるので、当然この3選手は2位までを狙ってきます。いや、このレベルの選手になると順位ではなく「自分の走り」をするだけです。

井上選手が仕掛ける可能性はありますが、大迫選手と設楽選手は間違いなく、自分の走りにこだわってくると思います。ベストを尽くせば自然と結果が出てくるし、結果が出ないなら、この日が自分の日ではなかったと思える選手です。

問題はそれ以外の選手がどう出てくるか。31人の出場選手のうち、28人が自分の走りをしたのでは選ばれない選手です。

マラソンはやってみないと分からないという難しさがあります。東京マラソンのように大迫選手がリタイアする可能性だって大いにあります。でも、そこで消極的に行くべきなのか、火中の栗を拾うべきなのか。

間違いないのは消極的にいくと勝てないということです。だって、ほとんどの選手が横並びなわけですから、自分にチャンスが回ってくる確率はほぼゼロです。だから無理してでもトップ集団についていくことになります。

おそらくそれでも勝てないでしょう。できるとしたら「逃げ」の1手です。ハイリスクなのは当然ですが、誰かが場を乱さないと順当な結果に終わってしまいます。どの選手もそれは分かっています。

では誰がリスクを取るのか。

上門大祐選手、園田隼選手、木滑良選手、服部勇馬選手、藤本拓選手、宮脇千博選手、山本憲二選手このあたりでしょうか。多すぎる?仕方ありません、それくらいレベルが拮抗しているのがMGCです。

このあたりの選手が序盤から勝負をかけに動けるかどうか。いや、動くしかありません。待っていて転がり込んでくるほど、甘いレースではありませんから。

以前なら牽制し合うということも考えられますが、大迫選手と設楽選手は駆け引きをしないタイプですし、他にもNIKEのヴェイパーシリーズを履いている選手も駆け引きをしてきません。

というより、すでに世界のマラソンは駆け引きをしません。自分の練習通りの走りを、レースで再現するというのが現在のスタイルです。だから、大迫選手と設楽選手の前で駆け引きをするしかありません。

彼らの前で何かを仕掛ければ、自然と視界に入ってくるので、思わぬことが起きる可能性があります。後ろで何かをしても何も起こりません。だから、最初の5kmで前に出る。

さて、そんな無謀なことをできる選手がいるのか。

わたしは、いるのではないかと期待しています。そうでないと面白くありません。自分の限界を越えたところにいかないと、上位の3人にはどうやっても追いつけないことは分かっているはずです。

そういう意味では、同じチームの選手がいるというのはかなり強みになりますし、仕掛けやすいので注目すべきかなと思います。

動きそうなのがトヨタ自動車とMHPS組。どちらもいい選手が揃っているだけに、何らかの策を講じてくる可能性があります。1人では取りにいけなくても、複数人ならなんとかなる。これが日本の実業団の強みでもあります。

女子はちょっと地味なレースになりそうな感じがあります。松田瑞生選手、関根花観選手が抜けているような気がしますが、自力のある安藤友香選手や岩出玲亜選手がどう仕掛けてくるか。

そして、ダークホースは福士加代子選手でしょう。華がある選手だけに、やはり期待してしまいます。

気になる存在は天満屋の前田穂南選手、小原怜選手。2人ともに自己ベストは十分に代表クラスで、そして安定してオリンピックに選手を送り出している天満屋ですから、この2人のうち1人は2位3位に入ってきてもおかしくありません。

力が拮抗しているため、レースとしては駆け引きがありそうな女子のほうが面白いかもしれません。男子のレースを見つつも時々女子に切り替えて、男子が終わったらすぐに女子のレース。

ビール片手に楽しみたいけど、この日はポイント練習……あぁもったいない。


マラソングランドチャンピオンシップGUIDE
著者:AERAムック
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