横浜マラソン2015〜掲げられたスローガンの理想と現実〜

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裸足で走れなかったから言うわけではない。そのへんの事情を差っ引いて出来る限り公平な目で判断して、次回また走りたいかと聞かれたら、即答で「NO」という。この大会の趣旨として【「する、観る、支える」すべての人が楽しめる大会】とあるのだが、それらがうまく噛み合わなかった印象が強い。

 

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この大会において「大人の事情」的な側面がちらほら見られた。スタート時間は朝の8時半で、少し早めで、10km以上も高速道路を走る。そもそものコースも応援しにくい場所を走る。参加費が1万5千円と高額なのもそうだ。それらに理由があるのは理解できる。だがそこまでして開催する必要があったのか、今後議論の対象になる可能性がある。

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スタートの待ち時間が30分から1時間。最低でも30分前には各ブロックに整列する必要がある。わたしはAブロックだったからよかったが、FやGブロックといった後方からスタートする人は50分近くスタートできない。こういう状況でトイレにも行けないことになる。

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とはいえ、用意されたトイレの絶対数はかなり多く、行列も他の大会よりは短い。それとは逆にトイレからスタートブロックに向かう階段が異様に狭く、無駄な渋滞が発生している。第1回の大会だからそういう部分は今後改善されていくのだろう。ちぐはぐさは経験を積むことで必ず改善されるだろう。

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スタートしてから5kmぐらいだろうか。山下公園をすぎるまでは、これほど走っていて気持ちいコースをわたしは知らない。その5キロが本当に短く感じた。「え?もう5kmなの?」多くのランナーがそう感じただろう。目に入ってくるものが美しく、沿道の声援もにぎやかでやる気が湧いてくる。

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ところが、その後がひどかった。別に声援をほしくて走っているわけではない。でも何kmもランナーの足音しか聞こえない大会がかつてあっただろうか。山下公園を超えてからは予想通り応援などほとんどない。ただ黙々と走り続けることしか出来ない。エイドは工夫が凝らしてあり楽しいのだが、それはしょせんエイドでしかない。

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そのエイドもにぎやかでランナーを盛り上げようとするところもあれば、企業がとりまとめてるエイドはほとんど「業務」状態で、会社からの指示で無理やりやってます感がありありのエイドもある。そういうエイドでは支える人が楽しめているようには感じられない。もちろん心の底から楽しんでいるエイドもある。

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わたしの走りとしては、まずまずだろう。裸足が禁止され、わたしが選んだのは足袋。室内で履くような裏が柔らかいもの。実はこれが大正解。走り終えてボロボロになってしまったが、これまで履いたどのシューズよりも裸足感覚だ。これについては明日にでもまた書くとしよう。

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本当は4時間半から5時間で走るつもりだった。ところが、高速道路の高架下や高速道路を走っている時間が長く、あまりにも単調なので、ゆっくり走る気分にもなれず、むしろ早く終わらせたい気持ちで走ったせいか、記録は3時間56分55秒と図らずともサブ4達成になってしまった。

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高速道路はアスファルトが固く、足袋でも足裏への負担が多かったが、何よりも道が傾いているのがきびしかった。普段そういう環境で走ることがないので、とにかく走りにくい。そのうえ見える景色はただの工場地帯。スタート前に林市長が「すばらしい景色」と言っていたが、彼女は一体何を見たのだろう。

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とにかく応援できる区間が短く、ボランティアスタッフも楽しめているのは一部で、ランナーにとっても魅力が少ない。何を持って【「する、観る、支える」すべての人が楽しめる大会】としたのだろうか。きっと何年も継続することで、この大会は化けるのだと信じたい。間違っても実行委員会の自己満足になっていないことを願う。

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とはいえ、やはりわたしがこの大会に出ることはないだろう。裸足はNGで、コースの半分近くで声援もない。そのうえ高速道路はこのうえなく走りにくい。楽しいエイドもあったし、みなとみらい周辺の声援は素晴らしかった。それでも圧倒的に魅力が不足している。そしてそれらが今後補えるとも思えない。

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