飛騨高山ウルトラマラソンでわたしを支えた2つの言葉

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今回の飛騨高山ウルトラマラソンはテーマをいくつか持ってのランでしたので、収穫も多かったのですが、その収穫はさておき、自分の走りについて今日は書いていこうかなと。

トイレ行列がなかなか進まず、第1ウェーブのスタートラインに立ったのはスタートの5分前。2個買ったおにぎりも1個しか食べられず。

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今回のテーマは「人間はどこまでも走り続けることが出来るのかの実験」です。そのために「こまめな給水で脱水をさせない」として、ポカリスエットを1本携帯しています。シューズは地下足袋。

ラッキーなことに飛騨高山ウルトラマラソンのエイドのスポーツドリンクは、以前の実験で使ったポカリスエット。途中で購入しながらと思っていましたが、エイドで継ぎ足すことができました。

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脱水症状にならないポイントはもうひとつあって、「体温をあげない」「痛みを我慢しない」ために頑張って走らないようにしました。

おかげで、スタートの号砲とともにラン仲間とダントツの最下位です。それでも7分/kmそこそこのペース。みんな速過ぎる・・・と思いましたが、いま思えばわたしが遅すぎたかな。

あっという間に15分遅れでスタートした第2ウェーブ、さらに15分遅れの71kmの部に飲み込まれます。

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でもそこでビビってスピードを上げないことがテーマのひとつ。設定タイムよりもスピードを出すのは逃げです。行けることろまで行って、後は運任せではいつまでたっても成長できませんから。

前半は上りが中心で、昨年はシューズだったのもあって上り坂で撃沈。今年は地下足袋なので上りはそこそこ気持ちよく走れます。

ただし心拍数を上げないこと、筋肉が疲労を感じたらすぐに歩くことにしました。

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40km地点からの下りも同じで、10km近く下りが続きますが、膝や筋肉への負担を感じたら、どんなにいい感じで走れてても即ストップして、痛みを取り除きます。

ウルトラマラソンにおいて歩くことは悪ではない。トップランナーは別として一般のランナーはもっと積極的に歩くべきです。多くのランナーは走れなくなって歩いていますが、そうではなく走れなくなる前に歩きます。

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周りのランナーをみて気になったのが、給水をこまめにしていないということ、ボトルは持っている人でも、エイド以外では給水しません。過去のわたしがそうであったように。

無理しないペースを貫いた結果、第一関門を通過時に30分あった関門までの時間が、第3関門では15分程度の余裕しかありません。第3関門から第4関門までのあいだには名物、千光寺の坂があります。

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この時点ではまだ何も考えてなかったのですが、第4関門のひとつ手前のエイドで、関門まであと40分しかないと教えてもらい、焦る河童。しかもここでGPSウォッチが電池切れ。約5kmを40分。自分の感覚だけで走ります。

時間がないのと距離がつかめないため、この区間を全力で走ります。

第4関門閉鎖5分前になんとか到達したものの、正直ここで完全に電池切れです。とにかく前に進まなきゃの思いでエイドを飛び出しましたが、全然走れません。

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70kmまではほぼ理想通りに走りましたが、ここにきてすべてが水の泡。

あまりに走れないので途中でFLOPEEZEに履き替えるものの、ふくらはぎは完全に消耗したまま。このままでは100%リタイア。そもそもゴールまでの26kmを3時間40分で走る必要があります。

しかも90km手前には永遠に続くかのような強烈な坂道が待っています。

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ここでわたしが取った選択肢は「寝る」。

走れない足を引きずっても絶対に完走できないため、寝ながらコース横のベンチで足を上げて足に溜まった血を心臓に戻します。前に進むだけがウルトラマラソンではありません。

おそらく10分程度の眠りでした。

これで走れなかったら終わりだなと思い走り始めたら、なんと見事に足は回復です。引きずるような走りから、70km地点での元の走りに戻ります。

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でも時間がないことには変わりありません。というより、10分間寝たぶんもあって計算上はどう考えてもゴールに間にありません。

でもわたしはただひたすらに今できるベストの走りを続けます。

以前お遍路していたとき。それは灼けるような夏の暑い日。小学校の校庭で花に水やりをしている若い女の先生がいました。その先生に「暑いのに大変ですね」とわたしが話しかけたとき、その先生はこう答えました。

「やれることをやらずに花を枯らしてしまうよりは、やれることをきちんとやっておきたい」

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結果が問題じゃないんです。出来ることがあるのにやらないということが自分の中で許せない。その言葉はいまでも、きつくなったときにいつもわたしを支えてくれます。

そう間に合うかどうかは問題じゃないんです。今できるベストをつくすだけ。やれることがあるならやっておく。

お遍路をすると人は何度か空海さんに会えると言われていますが、わたしはその先生が空海さんだったんだなと、いまでも信じています。

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わたしができること、それはただひたすらにゴールを目指すこと。

十分な熱中症対策のおかげで、頭はクリア。先は見えなくても走り続けていくと、90km地点に残り60分で入れば、10kmを60分必死のパッチでなんとかなるという計算が成り立つ。

実際に90km走った後のわたしの走力で、1kmを6分で走るのは至難の業。ただそれでも、ひとつの目標はできました。1秒でも速く90km地点にたどり着くという決意。

そのためにほぼすべてのエイドをすっ飛ばし、ポカリスエットの補給のためだけにエイドに立ち寄ります。

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最大の問題は88km地点にある2km続く坂道。これを走り切る力が残っているのか。ただここまでくればやるしかありません。

「男は一度やると決めたことは最後までやりきれ」

これはわたしの父から受け継いだ、数少ない言葉のひとつです。

90km地点までは走り切ると決めたからには、激坂を走れるかどうかではなく、「走る」しかありません。こう見えてわたしも男ですから。

全員が歩いて上る坂道を河童が一匹全力で駆け上がります。

そして64分残して90km地点に到達。

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もちろんここで安心はできません。ここからは下りになるものの10kmも残っています。それを1km7分以下で走らなくてはいかえません。しかもここからは狭い歩道が中心で、信号待ちも発生します。

GPS時計も機能していないので感覚というか、できることは全力疾走だけ。

そして、あと3kmの地点で残り24分、ここでようやく時間ない完走が見えてきます。でもスピードは落とせません。一度スピードを落とすと二度と走れない気がして。

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飛騨高山ビックアリーナの手前の坂を気合と根性で走りきり、なんとか完走。

13時間55分27秒

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関門4分半前。一時は絶対無理だと思った時間内完走でしたが、なんとか間に合いました。おかげで筋肉はパンパン。全然スマートじゃなかったですが、とにかく走りきれてよかった。

そうして河童史上、最も長い時間走った100kmウルトラマラソンの一日が終わりました。

久しぶりに本気の頑張りを出せたことだけは満足ですが、そこまできちんと計算していなかった自分の甘さ。課題はいっぱいです。そのかわり得たこともかなりありますが。

飛騨高山ウルトラマラソンは今回でいったん卒業。またいつか戻ってくると思いますが、もっといろんな地域のウルトラマラソンを体験したいんです。

たくさんの経験をして、もっと余裕を持って飛騨高山ウルトラマラソンを走れるようにパワーアップして戻ってきます。

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