NAHAマラソンゴール手前の関門の賛否と完走率が低い理由

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ランニングマガジン・クリールのfacebookにアップしたNAHAマラソンのゴール直前の関門封鎖動画が7万回以上の再生回数になっています。

YouTube版がこちら。

あとは競技場に入って3/4周すればゴールなのですが、NAHAマラソンはここに関門を設置しています。これには賛否両論あると思うのですが、このゴール直前の関門封鎖NAHAマラソンの名物のようなもので、毎年この攻防が繰り広げられます。

人の鎖で通過できないようにして、門もクローズします。

ここまで来たら走らせてあげるべきというのが多くの人の声ですが、じゃあどこでなら切ってもいいのかというとこれは難しい問題です。

各大会の最終関門場所と時間が次のようになります。

湘南国際マラソン 39.6km(残り2.6km) 5時間55分(残り35分)
東京マラソン 41.0km(残り1.2km) 5時間50分(残り10分)
大阪マラソン 41.0km(残り1.2km) 6時間57分(残り3分)
NAHAマラソン 34.0km(残り8.2km) 5時間10分(残り65分)

おかしなことに気づいた人もいると思います。実はNAHAマラソンの最終関門はなんと34km地点となっていて、競技規則にはゴール手前の関門の記載はありません。NAHAマラソンはこの関門とは別に競技中止勧告時間というのも設定されています。

最終の勧告地点は39.3kmで午後3時頃となっています。ものすごく曖昧です。

これは競技規則に「審判員は制限地点を制限時間内に到底通過できないと判断した競技者に対し、制限時間前でも競技を中止させることができる。」にあるためで、気温や天候に合わせて審判員が調整するということなのでしょう。

勧告というのがまた日本的だなと思うのですが、大会側としては「走るのをやめてください」と伝えるけど拘束力はありません。「指示に従わなくてもいいけど察してね」といったところでしょうか。

とはいえ審判員は競技をやめさせることもできるわけです。実際のところは強制力のある中止勧告になります。

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さて問題のゴール直前の関門。時間ははっきりしませんが、おそらくレース終了の15時15分にクローズしているのでしょう。する必要があるのかというと非常に判断が難しいところ。

関門が34km地点が最後ですので、どこかで断ち切らなければ終わらないという問題があります。

そして何より、この関門でのドラマを楽しみにしている人たちがいます。ランニングマガジン・クリールのカメラがこの映像をとらえたのは偶然ではありません。こうなることを知っていてカメラを構えているわけです。

NAHAマラソンはリゾートマラソンのイメージがあるのですが、実はかなりシビアなマラソン大会ということはあまり知られていません。

運営の母体自体はかなり真面目な運営で、様々な点で厳格さがあります。NAHAマラソンは私設エイドが充実していますが、大会の出しているエイドはさいたま国際マラソンよりも乏しいエイドになります。

スタートの整列も時間内に並ばなければ、自分のブロックの後方にも入れてもらえず最後尾スタートになります。

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そして何よりもこの大会は「完走がとてもむずかしい」仕組みになっています。これはNAHAマラソンの運営側も分かって意図的にやっているのでしょう。

参加者が3万人の大会ですが、前半は道幅が狭い上にアップダウンがかなり激しいコース設定になっています。これだけならまだいいのですが、後方からスタートする選手はサブ5のペースで走らないと21.4km地点の関門を通過できません。

21.4km地点の関門時間は3時間15分です。最後尾のスタートまでには30分かかります。ということは2時間45分で前半を走る必要があります。最後方のランナーはみんな、なんとか6時間以内に完走したいランナーです。

アップダウンの激しいコースを2時間45分で走りきる走力はまずありません。

走力はあっても道幅が狭く最初の関門まではずっと渋滞しているので、人を縫うように走る必要があり、実質的には21.4kmまでを2時間30分で走れる走力が求められます。

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後方の力のないランナーはどうあがいても完走できない仕組みになっています。これがNAHAマラソンの完走率が低い理由でもあります。それが悪いかどうかは別の議論として、NAHAマラソンはそういうスタンスのマラソン大会なのです。

完走したければきちんと練習をしてくるように。NAHAマラソンはそういう厳格な大会なのですが、沿道の声援と私設エイド、そして那覇を走るという開放感から、なぜか緩いリゾートマラソンのイメージがついています。

今年は気温が27.5度まで上がったらしく、完走率は53.2%で過去2番めに低い記録になります。小雨の中で開催された昨年の完走率は68.69%ですから、そこそこ低いものの驚きの数字でもありません。

NAHAマラソンが厳しいコースであることを周知することと、参加者を3万人から1万5千人くらいまで減らさないと完走率はおそらくこれからも60%前後になる。そんな大会です。

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いくつもの複雑なドラマが沖縄名物チャンプルーのように混じり合うのが、NAHAマラソンの魅力でもあります。

ゴール前の関門封鎖も名物。完走率の低さも名物。私設エイドも沿道の声援も名物。盛りだくさんのおもちゃ箱のような大会だからNAHAマラソンには人が集まります。

ですので動画のような関門封鎖もありかなとは個人的には思います。ただ、いずれケガ人が出る可能性があるのも否めません。できることなら力ずくではなく、もっと戦略的で知的な駆け引きがあってもいいのかなと思います。


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