所沢シティマラソンの優勝者ら3人失格について思うこと

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わたしの個人的な考えとしては、ずるいことして得したいのならそれはそれでいいんじゃないかという気がします。その人の生き方ですし、ちょっとても得したいというのが人間の心理。

問題は、それによって本来の勝者が勝者でなくなることくらいかなと思います。

所沢シティマラソンで優勝者を含む、3人のランナーが失格になった記事は、すでに多くのランナーが目にしたのではないでしょうか。1名はショートカットで、2名は男女のゼッケンの入れ替えです。

今回はたまたま発覚しただけで、こういうことは全国各地で行われているのが現実です。同じ大会で2つの不正があたり前に行われ、しかも優勝と2位という順位だったから発覚しただけのこと。

正直なところ、なぜこのようなことが起こるのかまったく理解できません。入賞したかったのか、記録を縮めたかったのかはわかりませんが、不正をして本当の実力が上がるわけではありません。

本人たちはこんな大事になるとは思ってもなかったと思います。まさか全国区のネットニュースに取り上げられるなんて、完全に想定外かと思います。

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ただ、この国ではバレなければ何をしてもいいという風潮があります。定期的にやって来る大企業の不祥事はその典型的なものですが、ずるいことをするのが日本人の国民性なのかもしれません。

他の国でどうなのかは知りませんが、もしかしたら人間の本質がそこにある可能性もあります。

でもわたしは思うわけです。日本人から勤勉さと真面目さと、相手を思いやる気持ちを取り除いたらいったい何が残るというのか。日本人を「あなた」や「わたし」に置き換えるともっとわかりやすいかもしれません。

「あなたから、勤勉さと真面目さと、相手を思いやる気持ちを取り除いたら何が残りますか?」

自分に問いかけてみてください。少なくともわたしからそれらを取り除いたら何も残りません。もしかしたら、美しさが残るという人もいれば、若さが残るという人もいるでしょう。才能が残ると言い切れる人もいるでしょう。

でもほとんどの人が何も残らないのではないかと思います。そしてそれが日本人の総和です。日本人たるものという言い方をするのは好きではありませんが、日本人たるもの勤勉で真面目て、相手を思いやる気持ちを持ち続けるべきです。

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この国はその力でここまで大きくなってきました。身体的にも劣っているとされる日本人が、世界で活躍できたのもすべて勤勉さと真面目さと、相手を思いやる気持ちがあったからです。

でも最近はそういうものがあっという間にこの国から薄れています。

正直ものはバカを見るとばかりに、楽して得をすることばかり求められて、何をするにしても効率化が優先されます。コツコツ真面目に積み重ねるという文化はすでに文鎮化しています。

ビジネスの場は百歩譲ってそれでもいいのですが、スポーツの場でもその流れは間違いなくあります。

速く走れるというシューズがあればそれに飛びつき、体にいいというサプリメントがあればそれを飲み、効率的なトレーニングがあればそれを真似、トップアスリートのフォームを真似て走る。

面白いことに、その楽をしたり効率のいいものを手に入れるということに対して、日本人の勤勉さと真面目さが発揮されています。ランナーは本当によく勉強していますし、速くなることに貪欲です。

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ただその気持が強くなりすぎて、結果を出すことばかりに意識がいき、結果を出したものだけが評価されるという状態にもなっています。

いや、結果を出したものだけが評価されることはそれでいいのですが、評価されないということに対してネガティブに考えすぎなんじゃないかと、わたしは思います。

マラソンにおいて誰かに褒められることや評価されることは嬉しいことですし、やる気に繋がります。褒められたい、評価されたいという思いが強くなりすぎて、結果ばかり大切にする。

本当に大切なのは自分が納得できる走りができたかどうか。それだけなのに。

周りの評価なんて本当はどうでもいいはずです。自分の頑張りは自分が一番わかっているはずですし、自分のダメだったところも自分が誰よりも理解しています。それだけでいいはずです。

順位が何番だったか、タイムがどれくらいだったか、そんなものがなくても自分を評価できるはずです。

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こういうことを書くといつも、「それはあなたが強いからそんなことを言えるのだ。わたしは弱いからそんな風には思えない」と言われます。

はっきり言いますが、その時点ですでにもうダメです。自分で自分を弱いと決めつけている時点で。弱いのなら強くなればいい。あなたを強くするのを邪魔しているのはあなた自身以外の何者でもありません。

そしてもう1つ。

わたしは決して強い人間ではありません。強い人間ではないから一生懸命もがいています。天から才能を与えられなかったから、懸命に努力をします。今の自分のままではいたくないからもがいている。それだけです。

弱い自分を見せたくないから、自分のことを弱いなんてことは絶対に口にはしません。

人間誰しも強くはありません。強くないから不正をしてしまいます。わたしだって人生でいくつもの不正をしてきました。本当に小さなことから、人に言えないような不正もあります。困っている人を見て見ぬふりしたことが何度あったか。

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だから人の不正に対してとやかく言うつもりはありません。好きにすればいいと思います。

でもそれによって誰かが割を食うという現実をしっかりと考えてください。不正をしてタイムが出たり、いい順位になっても、そこに何の意味もありません。

ただ負い目を感じたまま一生を過ごすことになるだけです。

もっとも実際に不正をした人はそんな風には感じないのかもしれません。別に悪いという感覚もない可能性もあります。それも本人しかわからないことなので、やっぱりとやかく言っても仕方ありません。

ただ、少なくともスポーツの場に身をおいているのであれば、日本人がこれまでに大切にしてきた日本人らしさを大切にする人が1人でも増えてくれればと思います。

勝負に勝つことがスポーツの本分ではないはずです。己に克つことがこの国におけるスポーツや武道のあり方だったはずです。

自分に克つためにはときには勝負に負けなくてはいけないことだってあるはずです。

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今回の所沢シティマラソンで起きたことを再発させないためには、不正防止策を考えるだけでなく、もっとランナーの意識を高めていくということも必要なのではないでしょうか。

そのためには一人ひとりが意識を変えていくことが必要です。不正をした人が悪いというアナウンスも必要ですが、不正をして勝ったことにほんの少しも価値がないという雰囲気を育てることが大切です。

まだその土壌が出来ていないから、勝てば官軍のような行動を取る人が出てくるわけです。マラソンブームが始まってからすでに10年が経過しています。そろそろマラソンをブームではなく文化へと変えていく時期です。

今回の所沢シティマラソンで起きたことは、マラソンを文化にするために、ランナーがそれぞれ何をすべきかをよく考えてみるいい機会だと思います。「不正をしてもつまらない」そう言い切れる人が増えていくきっかけになればと思います。


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著者:前田 康二郎
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