速く走れるようになるためのトレーニングをする前にするべきこと

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究極のところ、スポーツが上手いかどうかというのはそのスポーツに適した体の使い方ができているかどうかに尽きるのではないだろうか。無意識にそのスポーツに適した体の使い方を出来ている人が才能があると言われる。特にマラソンのような単純に走る系のスポーツはその傾向が強いように感じる。もちろん練習がなくては上達はしない。それでも、練習さえすれば誰もがサブ3で走れるわけじゃない。逆にそんなに練習しなくてもサブ3で走れる人がいる。その差が体の使い方にある気がするのだ。

そもそもまずまっすぐに立ってみたところで、その立ち姿が百人いれば百通りある。骨盤の傾きや左右のバランス、肩甲骨の位置…チェックポイントは無数にある。ただ立つだけでもそれだけ違うのだから、いざ走り出したらさらに違いが出てくることになる。その中でたまたま正しいフォームを自然にできる人が速く走れる。では他の人がそのフォームを手に入れたら速くなるかというとそれは違う。一見同じフォームでも骨格やニュートラルな姿勢が違えば、筋肉に無駄な力がかかってしまう。フルマラソンぐらいの距離になるとその無駄が大きな違いになる。

わたしの場合どうしても猫背になる癖があり、これをピラティスでだいぶ矯正して見た目には真っ直ぐな姿勢を保てるようになったのだが、実際に股割りのようなことをしようとすると骨盤がまったく立たない。この原因は股関節の硬さにあると感じているのだが、ストレッチが嫌いなためこれまで股関節を柔らかくする作業をしてこなかった。それでも骨盤が傾いているのが悪いのがわかっているから無理に正しい姿勢を作ってきた。

その結果、わたしの背中から腰にかけての筋肉が発達しすぎて腰回りの柔らかさも失われ、体のバランスが崩れてしまった。いまそのことにようやく気付き、体を整える作業を開始したところだ。ところが世の中にはそんな作業をしなくても理想の姿勢を手に入れている人がいる。その理由は成長の過程にあるのか持って生まれた骨格にあるのかはわからない。無理なく効率的な姿勢を手に入れることが出来る人がいる。

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繰り返しになるが、努力を否定しているわけではない。どんなに優れた体を持っていてもそれを活かすためには練習が必要だし、努力を継続する力なしにトップレベルの選手にはなれない。ただ、わたしが正しいフォームで無理なく走れるようになるためにかかる時間を、優れた体を持っている人は別のトレーニングに使えるわけだ。凡人の努力が天才の努力を上回ることはない。

だから練習をしないとかそういうことを言いたいわけではない。わたしが伝えたいのは、大事のなのは月間の走行距離でもインターバルの本数でもなく、まずは徹底して体を正しい姿に持っていくことではないだろうかということだ。

間違った体の使い方でどれだけ練習してもかならず壁がやって来る。問題は正しい体の使い方は誰も教えてくれないということだ。ランニングクラブに入ればそれっぽいことは教えてくれるだろう。ただ、そのフォームがすべての人の最適解ではないし、個々の体の特徴までは考えられていない場合が多い。教えられたフォームで走れたとしても、そのフォームで走るための体でなければ意味はないのだ。

まずは体との対話だ。足裏のどの部分着地をしたか、どのタイミングで足を着地させたか、腕振りの幅、視線の位置。すべて意識し感じながら走る。繰り返していると体が教えてくれる。体の癖や弱点も意識していればわかってくる。それらをいかにして直していくか、それこそがランニングの基本であり醍醐味だとわたしは感じている。思い通りに動かせる体になる。速く走るというのはまずはそれが出来てからの話じゃないだろうか。

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