旅をするということ【鶴巻温泉から9時間半かけて天草にやってきた】

鶴巻温泉にある自宅を出たのが11時30分。天草のホテルサンロードに到着したのが21時。なんと9時間半もかけてやってきたことになる。北京や台北だってもっと短時間で行けてしまうのに。日本という国は思ったよりも広く、そして思ったよりも不便なのだと旅をすると感じます。

その不便さが旅を特別なものにしてくれるのですが、レンタカーを運転中は景色を見る余裕などなく、ただ時間を浪費しているだけ。本当なら移り変わる景色を楽しむのが旅なのですが、とはいえ天草で車がないというのは不便だし、帰りに寄りたいところがあるので仕方ありません。

今回の旅の相棒は「街道をゆく17 島原・天草の諸道」。そういえば司馬遼太郎さんの本は、街道をゆくシリーズしか読んでない気がします。それも1〜2冊程度。歴史本は好きなんですけどね。まだ読み始めたばかりで、きっと旅の間に天草まで読み進めるのは無理な気がします。

でも、きっと天草には頻繁に来ることになるので、復習と次の予習を兼ねて。色々なところを旅していると、好きな場所とそうでない場所を嗅ぎ分けられるようになります。苦手かなと思ったところが好きになることもありますが、ファーストインプレッションが良かった場所を嫌いになることはありません。

天草は最初から良い印象。ただし映画「のさりの島」の印象が強すぎて、こんなにも大きな街だったとは思わず。自然に囲まれた素敵な場所だと思ったら、そこそこの都会。映画の中では寂れていく地方の小さな町という印象でしたが、映画の物語は街での日常を切り取っただけ。

その裏には多くの人の生活があって、あたり前のように暮らしているわけです。そういうのって、実際に訪れてみないとわからないものです。天草への移動中に島原半島に沈んでいく太陽を見ましたが、あんな景色も神奈川にいたのでは経験できません。いくらインターネットがあるとはいえ、実体験に勝ることがありません。

インターネットの映像も画像も、切り取りに過ぎないわけです。その瞬間の切り取りなので、背景にある物語を感じることができません。それは私の想像力が欠如しているからかもしれませんが、実際に訪れることで人の生活を感じることができ、肌に触れる空気感も伝わってきます。

もっともコロナ禍で積極的に移動するべきではないという考え方もあります。やっぱり関東から来たとは言いづらいですし、きっと歓迎されないだろうなというのは、鈍感な私でもわかります。昨夜お世話になった居酒屋では、どこから来たのかは聞かれませんでしたが、「どこのホテルですか」と聞かれました。

踏み込んだことは聞かず、外から来た人であることはわかってますと伝える。そこにどのようなメッセージがあったのかはわかりませんが、直接的にプレッシャーをかけない優しさを感じました。それが天草の人特有なものなのかは、まだ来てすぐなのでわかりません。

同じ日本でも違う文化が根づいている。それは天草だけでなく、どこに行っても感じられることであり、そしてその違いが旅に彩りを与えてくれます。前回は熊本城マラソンで熊本に来ているのですが、そのときは感じなかった熊本弁が、今回はやけに耳に入ってきます。

最初はラジオからだったので、アナウンサーが誇張して言っているんだと思ったら、街を歩く人や居酒屋で聞こえてくる言葉が熊本弁。「ばってん」とか普通に言うわけです。ここまでしっかりとした方言を聞くのは、初めてのことかもしれません。これも天草を好きだと感じた要因のひとつ。

ここで暮らしたら自分の標準語が浮くなんて思ったり。街を歩きながらマンションやアパートの家賃を見てみたら、2DKで4万〜5万円。決して高くないのですが、そこまで極端に安いわけでもなくほどほど。寂れていく街ならもう少し安いかなと期待していたのですが、これだと年金だけでは生活は難しそうです。

えぇ終の棲家も探しています。天草も候補のひとつになる気がしています。終の棲家にならなくても、きっとここには何回もやってくることになります。だって2泊3日ではとても回りきれないくらい、いろいろと見たいものがありますので。今回はあれもこれもと欲張らずに、まずは空気に馴染んでみようと思います。

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