名水百選『秦野盆地湧水群』〜本当に大切なモノが見つかる街〜

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訪問日:2006年8月20日

神奈川県にある秦野市に名水百選があるだなんて思いもしなかった。友だちが住んでいたので何度か訪れてはいたが、そのときは神奈川県のはずれにある小さな街という程度の認識だった。それが名水訪問以降、わたしのなかで神奈川県で住みたい街上位にランキングされている。名水を通して秦野を見たらこれまでに見えていなかったモノに気づくことができたのだ。

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秦野の湧水は丹沢の山からの恵みだろう。秦野は丹沢だけではなく周囲を山に囲まれた盆地でもある。この盆地には21もの湧水があるらしい。街中にある湧水の一部は水を汲むことができなくなっているが、生活用水として利用されている湧水も多い。どこの湧水でもポリタンクをたくさん抱えた人が群がっている。一時期、秦野の地下水が汚染されていたことを考えると信じられないような光景ではあるが、秦野市民にとって湧水は日常の景色になっている。

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この名水を追い求めてたどり着いたのは「竜神の泉」だ。ここは街からかなり離れてた丹沢の麓と言っていい場所にある。砂利道を進むので、車高が低い車は腹をこする可能性があるので、軽トラやSUVのような車で行くことをおすすめする。大型車はUターンが難しいので、それもおすすめしない。もちろん運転に自信がない人もやめておいたほうがいい。それでも汲みに行くだけの価値がある。

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「竜神の泉」はすばらしく透明感のある水だ。クセもなくとても飲みやすい。場所が場所だけに丹沢の懐の広さを感じずにはいられない。おそらく昔の漁師さんなどが狩りの途中にここで水の補給をしたのだろう。わたしもトレイルランの途中にこんな泉があったら間違いなくそこで走るのをやめてのんびりとくつろぐだろう。無駄のない水というのがわたしの評だ。

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この「竜神の泉」に向かう途中に秦野戸川公園がある。ここがまたいいところだ。公園の中心には丹沢から湧き出る水無川が流れている。天気が良い日なら1日ここでのんびりしたくなるほどゆっくりな時間が流れている。さらに茶室・おおすみ山居では日本庭園を眺めながらお茶をいただける。こういう家で暮らせたらなと思える理想の部屋でいただくお茶の美味しいこと。夏の暑い日にも関わらず日本家屋の作りの素晴らしさか、冷房をかけていないにもかかわらず部屋の中はまったく暑さを感じない。

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戸川公園はひとつの発見で、実はもっと大きな発見がある。それは「じばさんず」というJAはだののマーケットで気づいたのだが、秦野には素晴らしい農産物がある。意外と知られていないのが秦野のブドウだろう。秦野は盆地になっているので山梨のように夏の気温が高く、冬は極端に寒い。その結果、野菜や果物が美味しくなる。美味しい農作物と美味しい水がある。都会的なものはあまりない小さな街だけど、本当に大切なモノが秦野にはあるのだ。

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そういうことを気づかせてくれるから名水百選を訪ねる旅はやめられない。ときにハズレな名水もあるけれども、名水wp訪れたことでこれまで気づかなかったことに気づかされる。自分の中でどうでもいいポジションだった街が、住みたい街に変わったりもする。名水おそるべしである。

所在地:神奈川県秦野市 
アクセス:「弘法の清水」小田急線「秦野駅」下車徒歩5分
環境庁選定名水百選:秦野盆地湧水群

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