せからん『秋の高野「世界遺産参詣道」WALK&RUN』2日目〜雲の中の高野山〜

せからん『秋の高野「世界遺産参詣道」WALK&RUN』2日目〜雲の中の高野山〜

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昨日まで高野山にいたというのにすでにずっと昔のことのように感じている。土曜日に「はじめまして」をしたメンバーが2日間で深いつながりになったからだろうか。たった2日間圏外にいただけで仕事が山積みというのもある。それだけ2日間はせからんに参加したメンバーと向き合い、自分自身と向き合っていた濃厚な時間だったのだ。大人になるとなかなか新しい仲間というのはできにくいものだが、それは自分自身が作り出した見えない壁のようなものが邪魔しているに過ぎない。実際にこうして新しい出会いがあったのだから間違いない。

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せからん2日目は高野山奥之院を歩くことから始まる。これまで3度訪れたことがあるのだが1度は小学生時代で、残りの2度は駆け足での参拝となったため、じっくり歩くのはこれが初めてのようなものだ。しかも地元のガイドさんが墓石の由来について説明してくれるので、これまでとは違った視点で奥之院を楽しむことができる。参拝のマナーなども気にしていなかったことがたくさんあるのに気づかされる。

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なぜ戦国武将の墓が多いのか、どのようにして墓石を運んだのか、疑問に思っていたことを丁寧に説明してくれる。奥之院は間違いなくガイドさんがいるほうがよい。ガイドさんがいるのとそうでないのとでは楽しさがまったく変わってくる。

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奥之院を満喫した後は精進料理をいただく。精進料理と言ってもちょっとおしゃれな感じにアレンジされていて、精進料理のイメージが覆される。味はもちろん美味しい。精進料理だと言われなければ、普通に美味しいランチプレートをいただいたような感じになっただろう。高野山は古い町だが、こうやって新しいものも入り込んでくる。何度も衰退と復興を繰り返した高野山は新しいものを受け入れることの重要さを理解しているのかもしれない。現状維持には未来はない。

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せからんのために時間を確保して挨拶しに来てくれた高野山の町長さんはまさに、それを体現したような人だった。もちろん行政を動かす人なので清く正しいだけではやっていけないのだろうが、このままではいけないという危機感を持っている姿が印象に残った。きっと高野山の町が変わっていくことを望んだ結果の町長さんなのだろう。有権者数が3000人の高野山町での町長選投票率はなんと80%を超えている。そこで暮らす人たちにとって行政は他人ごとではないのだろう。

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わたしたちが訪れたタイミングで徳川家霊台の特別公開が行われていた。めったに見ることが出来ないものだが、高野山では来年の開創1200年に向けて、普段は目にすることが出来ない重要な文化財が公開されていたりする。そうやって徐々に開創1200年を盛り上げていこうとしているのだろう。訪れる前にはきちんと情報収集をしてから訪れたほうがよいだろう。せっかく高野山にまで行って、名宝を見逃すのはもったいない。

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徳川家霊台から壇上伽藍、大門へと移動する途中から雨が強くなったが、ここからがせからんのメインイベントだ。大門から丹生都比売神社への13kmのダウンヒル。

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わたしはこの日、メレルのシューズを借りて走るつもりだったのだがあいにくサイズがなくビブラムファイブフィンガーズでのダウンヒルとなった。両足ともにかかとを痛めている状態で、平地でのランニング移動時に他のメンバーにまったくついていくことが出来ず、不安しかなかったのだが、さすが走れるメンバーは違う。きちんとわたしのペースに合わせてくれたのだろう。無理なく高野山のトレイルを楽しめた。

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雨なので視界が非常に悪いが、ずっと幻想的な空間を走ることができたのは素晴らしい経験だ。晴れたならそれはそれでいい景色だったのだろうが、見えないことで想像力をかきたてられる。この道を1000年以上も前に空海さんが歩いたかもしれないと思うと胸にグッとくるものがある。神様も仏様も信じていないが、四国遍路を歩いた者のひとりとして空海さんはずっと自分の中に生き続けている。自分の中の空海さんと高野山の町街道がシンクロしていく。ほんの短い時間わたしは平安の時代にタイムスリップしたかのような気持ちになっていた。

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丹生都比売神社が近づくにつれてこのイベントが終わりに近づいているのだと思うと、先回りして待つ仲間たちの顔を早く見たい気持ちと、このままずっとこの時間が終わらなければいいという気持ちが交互に現れる。素晴らしい時間を与えてもらったことに感謝し、そしてまたここに戻ってくる姿をイメージしながら13kmのトレイルを、2日間のすばらしいイベントをゴールした。

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このイベントをサポートとして参加することができて本当によかった。そして九度山と高野山がこれまで以上に特別で身近な場所になっていった。まだわたしにとって九度山と高野山は観光地でしかないが、いずれ「帰れる場所」のになることを願っている。そこに住むという意味ではなく、精神的にわたしのベースとなる場所になってほしい。そうなるまではまだまだ時間がかかるだろうが、「ただいま」と言えまで何度も何度でも訪れるつもりだ。

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