奉天という陰と瀋陽という光を感じる旅(前編)

瀋陽の中心地の広場には毛沢東像がそびえ立つ

瀋陽の中心地の広場には毛沢東像がそびえ立つ

瀋陽についてまだうまく語れない。さっきから書いては消しの作業を1時間近く繰り返し、まだ1行にもなっていない。語るにはまだおいらの経験と知識が不足しすぎているのだろう。なので、今日は本当に旅日記のような感じで進めていこう。

万里の長城マラソンの翌々日においらは瀋陽空港に降り立った。新幹線でも北京から5時間かからないのだけれども、乗車券争奪戦をするのが面倒だったので飛行機にした。フライト時間は1時間ぐらい。東京と大阪のような距離感だと思ってもらえればいい。この距離感は中国人にしてみれば「遠くはない」になる。瀋陽の気温は北京よりも低い。北京は日中半袖でも問題なかったが、上着がないと肌寒く感じる。

とにかく歩くことで地元の人があつまる場所に行けたりする

とにかく歩くことで地元の人があつまる場所に行けたりする

この日はすでに夕方だったので観光には行けず、街中を散策するだけで終わった。初めての街を理解するのにおいらは徹底的に歩くことにしている。ホテルの位置が街のどこに位置するのか、主要なスポットまでどれぐらいかかるのか。それだけじゃなく街の雰囲気にも慣れておかなきゃいけない。北京と瀋陽は遠くないとはいえ、そもそも民族が違うわけなので考え方も少しずつ違う。歩いた限りでは北京よりも自由度が高いように感じる。そのぶん人を騙そうという人も少なくない。バイクタクシーのような初心者には危険度の高いものがあちこちにある。

改修中の瀋陽駅…楽しみだったのになぁ

改修中の瀋陽駅…楽しみだったのになぁ

街はあちこち改修中だ。ここ数年の中国の発展に取り残された東北地方だが、共産党もさすがにこのままではまずいと思い、瀋陽の近代化などに予算を確保したのでわかりやすく改修やら新築のラッシュになっている。名物の瀋陽駅ですら工事中で間近までは寄れない。駅前の地下街も改修中。繁華街でも古い建物は取り壊されて、おそらくこれから近代的なビルに変わっていくのだと思う。近代化という意味では地下鉄も開通していて非常に助かる。バスと地下鉄を使いこなせれば大抵のところに格安で移動できる。

北京で見たことのない屋台

北京で見たことのない屋台

よくわからんが行列につられて…旨し!

よくわからんが行列につられて…旨し!

繁華街の賑やかな感じは台北のそれに似ている。天津も同じような感じだったけど、そういうところに自由さを感じる。ここは共産主義国家ではなかったっけと首をかしげたくなるが、これがいまの中国なのだ。きっと上海なんかはさらにもっと自由な感じがするんだろう。北京は都会だけどやっぱり首都だけあっていろいろ厳しい。いたることろに公安の目が光っている。人が自由になると市場ができ、経済が動き出す。ただ、いまは器ばっかり大きくなっている気がする。

満州名物?骨付き肉

満州名物?骨付き肉

食事は屋台なんかも集まっててお一人様でも難しくはない。北京にはない料理の屋台もあってむしろ食事が楽しみな街でもある。万里の長城マラソン仲間から得た情報によると満州料理というものがあるらしい。骨付きの肉をかぶりついたりするらしい。何も考えずに入ったお店がそれだったぽい。骨付き肉がやたらとうまい。あまり美味しくない中国のご飯ですら箸が進む。ただ、そのお店の衛生評価がCランクだったのを見て頬張った肉を吹き出しそうになったけど…

夜になると電球でピカピカになる遼寧賓館

夜になると電球でピカピカになる遼寧賓館

ホテルは遼寧賓館、旧大和ホテルだ。どうしてもこのホテルに泊まってみたかった。浅田次郎さんの作品、中原の虹に何度も出てくるホテルだ。瀋陽という街、奉天という街を語る上でこの大和ホテルは避けて通れない。このへんもまだ消化しきれていないので後日レポートという形で伝えようと思う。とにかく歴史と風格を兼ね備えたホテルだ。もっとも建物が古くなりすぎているから、いま瀋陽で高級ホテルとなるとこの遼寧賓館はノミネートされない。それでもやっぱり歴史があるというのが大きく、そこで働く人たちもしっかりしている。

大和ホテルだったころの名残があちこちに

大和ホテルだったころの名残があちこちに

しっかりしているという意味では、中華圏で食べたこれまでのホテルの朝ごはんビュッフェのなかでこの遼寧賓館がもっともまともだった。台北でさえも朝ごはんは美味しくない。いや、美味しいレベルのホテルに泊まったことがないだけなんだけどさ。もちろんすごく美味しいというわけじゃない。でもまぁこれなら食べて行くかと思えるレベル。マイナスがあるとしたらネットが不安定だったことぐらいか。この日記を更新しようとすると繋がらなくなった。普通にネットサーフィンをするぐらいならほぼ問題はない。

遼寧賓館では連日結婚式が行われていた

遼寧賓館では連日結婚式が行われていた

今日はここらへんで終了。明日は観光地について書こうと思う。まだまだ消化しきれていない事が多いので、かなり端折ることになるけど許してください。瀋陽での時間は濃密すぎたし、おいらの人生においてかなり意味のある旅だったと思っているのでまだ冷静になれないようだ。とりあえずは旅行記でお茶を濁させてもらおう。

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