神話の国、宮崎を旅してみた(その1)

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飛行機を降りるまで、本当に宮崎にたどり着けるのか不安だった。飛行機が飛ばないのではないだろうか、羽田空港に引き返すようなことはないだろうか。それぐらい考えてしまうほどわたしにとって伊勢神宮は遠い場所で、それに関わる神話の地、宮崎を簡単に訪れることはできないと思っていた。

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今年の春に出ようと思っていた高千穂マラソンは、道路工事のために中止になっている。それでもなんとかしてマラソンを絡めて宮崎を訪れたかった。ただの観光だと伊勢神宮のようにはねつけられる。そしてうまくエントリーできた青島太平洋マラソンに合わせて、念願の初宮崎となる。

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宮崎の地の降り立って、まずは腹ごしらえ。訪れたのはチキン南蛮の名店と言われている『おぐら本店』。タルタルソース味のチキン南蛮の元祖らしい。たしかにタルタルソースは絶品だ。ちょっと素人が真似て作れるものではない。ただ、鶏肉そのものがわたしの好みではなく、しかも減量後とあって食べきれない…

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腹を満たし、レンタサイクルを借りて向かったのは宮崎神宮だ。ちなみにレンタサイクルは駅前のスポーツプラザ「JERSEY」で借りることができる。体力に自信がない人はレンタサイクルよりもレンタカーをおすすめする。どこに行くのも車があるのとないのとでは行動範囲と時間がまったく変わってくる。都会と違って乗り物に30分待ちはあたり前なのだ。

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宮崎神宮は初代天皇である神武天皇が祀られている。正式には神日本磐余彦尊天皇(かむやまといわれひこのすめらみこと)という。神武天皇は日本に稲作を普及させたということになっている。稲作により安定した生活を送れるようになった人々が神武天皇を神として敬い、ならばその祖先も神だろうということで、天皇家は日本の神となったのだとか。

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その宮崎神宮はわたしにとってとても難しい場所だった。わたしは神様も仏様も信じていないし、霊感なんてあるはずもない。ところが、宮崎神宮に入った途端に足がすくんでしまった。前へは一歩も動けない。熱田神宮でも似たような経験をしたことがある。もし結界というものがあるならそれは間違いなく結界だろう。

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ただ、このまま引き返すわけにも行かないので、気持ちを落ち着けて大丈夫と自分に言い聞かせながら本殿に向かった。ある程度入り込めばもう足がすくむようなことはない。

ここはとても静かな場所だ。

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宮崎神宮だけでヘトヘトになったのだが、このまま1日を終わらすわけにはいかない。次に向かったのは江田神社とみそぎ池だ。ここは伊邪那岐命(イザナギノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)が祀られている。みそぎ池は黄泉の国から戻った伊耶那岐命が黄泉の国での穢れを祓った場所だ。

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そこは天照大御神、月讀命、建速須佐之男命が生まれた場所でもある。天照大御神は天の世界、月讀命は夜の世界、建速須佐之男命は海の世界を治めるように言いつけられた神になる。そして天照大御神は皇室の祖神であり、日本民族の総氏神ということになる。

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ここでも足がすくむかと思ったのだが、むしろ心地いい場所だった。宮崎神宮とは正反対の気を感じる。宮崎神宮ではすべてをはねつける強さを感じたが、江田神社ではすべてを受け入れるやさしさを感じる。わたしは神社という空間が好きなのだが、その理由がこのやさしさにあるのだとそこで気づくことができた。

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逆に、なぜ熱田神宮や宮崎神宮が感覚が合わないのかはわからない。伊勢神宮も近づくことすら出来ないことを考えると「神宮」がひとつのキーワードかもしれない。わたしの前世が皇室となにかあったのだろうか。そういうことを妄想しながらみそぎ池の周りを歩く。知らない人が見ればただの小さな池でしかない。だがそこにはロマンが詰まっている。

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宮崎の大きな空や広い海を見ていると、ここから日本が始まったと言われて納得するだけのものがそこにはある。ここはまぎれもなく神話の地だ。宮崎は思っていた以上に深さがあり、そして美しい。

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