満腹台湾珍道中「最後の1分1秒まで食べ続ける」編

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最終日の朝も、もちろん朝ごはんのための散歩から始まる。別にみんなに散歩をさせたいわけではなく、電車で行くのも歩いていくのも時間が変わらない。そんな不便な場所にお目当てのお店がある。

目指すのは油化街にあるお粥のお店「清粥小菜」。

わたしは台湾でお粥を食べた記憶がない。食べたことはあるのかもしれないが、記憶に残っていないので、おそらく食べていないのだろう。なぜか北京では毎日のようにお粥を食べる。

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台北の朝ごはんはわたしにとっては鬼門だ。ここ最近、あまり美味しい朝ごはんに当たったことがない。いいお店が見つからず、屋台の朝ごはんで済ますことが多い。そんなわたしにとって、朝にお粥を食べるというのは盲点だった。

昨夜あれだけ食べたにも関わらず、お腹と背中がくっつきそうだと言いながら、ホテルから歩くこと25分。

初めてのお店で戸惑うかと思ったが、お店のおばちゃんのほうが手慣れたもので、言葉は通じなくても問題なく注文することができる。わたしが選んだのはお粥1つとおかず3皿。

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たくさんあるおかずの中から美味しそうなものを選ぶのだが、わたしは選ぶという作業が苦手だ。選ばれなかったものの気持ちを考えると……いやそうではなく、ただ優柔不断なだけだ。

こういうときは、あれもこれも見ようとはせず。目に入ってきたもので美味しそうなものを「これとこれとこれ!」という感じで勢いをつけて注文することにしている。優柔不断な自分を他の人に見せるのは好きではない。ただの見栄っ張り。

おかずはどれも優しい味で、前日までの暴飲暴食で疲れている胃袋を癒やしてくれる。

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実はこのお店、ドラマ「孤独のグルメ」の台湾ロケで使われたお店。それが美味しいという評価につながるかどうかは別として、少なくともわたしの舌にはとても合う朝ごはん。これは毎回でも来たくなる美味しさ。

台北で初めて、また来たいと思える朝ごはんのお店に出会えたかもしれない。

台北で朝ごはんといえば阜杭豆漿だが、朝から何十分も待つのはどうも納得がいかない。味は確かに美味しいし、作業を見ているだけでも楽しい。ただ、朝はサッと食べてすぐに行動したいわたしには向いていない。

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朝ごはんの場所を清粥小菜に選んだのはちゃんと意味がある。清粥小菜のある油化街には台湾で一番と言われている縁結びの神様、月下老人が祀られているのだ。

霞海城隍廟……読み方がわからない。学がないというのはこういうとき悲しい。ピンインなら「Xiá hǎi chénghuángmiào」。

油化街が好きなので、毎回来ているのだが、霞海城隍廟でお参りするのは初めてだ。わたしは基本的に神様にお願いごとはしない。ただ、みんながお参りするならそれに乗らない手はない。

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他の3人に良縁がやってきて、わたしにだけ縁が来なかったら悔しいだろ?

お参りの手順はお寺にいる姐さんが教えてくれる。手順通りにお参りをして、月下老人に意中の人の名前を告げるらしい。誰の名前を告げたのか?残念ながらそれだけは教えるわけにはいかない。

ここには大勢の日本人女性がやってくる。みんな切実そうな顔をしているが、きっとわたしの顔もそんな感じだったかもしれない。神様にお願いごとをするのは気恥ずかしいから、真面目にお願いしてしまう。

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油化街を抜けて、次に目指したのは西門。

朝早い時間だったので、まだお店も空いていないような状態だったが、さすが台北の原宿。平日にも関わらず、そこそこ人が集まっている。わたしは西門はどうも落ち着かないので、ゆっくり見て回ったことがない。

台北という大きな括りの中でも、訪れる人によって好きな街が違う。これが台北の面白さかもしれない。わたしが好きなのは油化街や富錦街が落ちつける街だが、人によっては西門や台北101周辺が好きだったりする。

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どこの国に行ってもわたしが好きになるのは、のんびり本を読める街。海外に行ってまで本を読まなくてもいいじゃないかと思うかもしれないが、海外だからこそより本の世界に没頭できたり、いつもとは違う情景が浮かんできたりする。油化街や富錦街はそういう街なのだ。

西門を散策しながら、そういえばマンゴーかき氷を食べていないことを思い出し西門町芒菓冰へ。さっき朝ごはんを食べたばかりなのに、マンゴーかき氷だけでなく大根餅と油條(揚げパン)を注文。

出てきたのは笑ってしまうくらい大きなかき氷に、これでもかと言うほどマンゴーが乗っています。今回の訪台で絶対に食べると決めていたのに、美味しものが多すぎて、すっかり忘れられていた存在のマンゴーかき氷。

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言うまでもなく100点満点の味。ただ、そのマンゴーかき氷の味を上回ったのが油條。わたしは油條が苦手なのだが、ここの油條は手が止まらないくらい美味しい。台湾はまだまだ奥が深い。

西門で台湾の夏の味を満喫した後は、とうとうホテルのチェックアウト。

旅の終わりはいつだって切ないもの。でもこんなところではわたしたちの旅は終わらない。最後のメインイベントである、高級店の小籠包がわたしたちを待っている。

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少し時間があったので、近くにある二二八和平祈念公園内にある健康歩道へ。何が健康かというと、丸い石が25mにわたって敷き詰められている。その上を歩くと足つぼを刺激され激痛で歩けなくなる。

足つぼを刺激して、胃腸の調子を整えてランチに挑もうというのだ。

先に女子2人が挑戦して、5mであえなく撃沈。

実はわたしは、こういうのがかなり苦手。痛いのに弱い選手権があったら全国ベスト8に残る自信があるくらい、痛いのは嫌いだ。でもハダシストを名乗っている以上逃げる訳にはいかない。

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そっと足を載せて体重をかけてみる。「あれ?痛くない」伊達に1週間前に裸足で24時間マラソンを走っているわけではなかったようだ。とりあえず折り返しも入れて50m。あと10mあったらやばかったが、ぎりぎりで面目躍如。

この健康歩道は、台北のいたるところにあり、中正紀念堂には100mのものがあるらしい。

噂によるとこちらのほうが危険と言われているらしいが、次回の訪台では100mの健康歩道にも挑戦してみるのもいい。誰も一緒について来てくれなさそうだが。

足つぼで内蔵に刺激を与えて、いざ最後のランチ。

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向かったのは高級店の點水樓。台北では誰もが知る有名店で、小籠包以外の味も素晴らしい。ただし、値段もそこそこする。接待などで使うようなお店なのだが、最後の食事くらいは贅沢をしてもいいだろう。

點水樓の小籠包は皮が薄く、とても上品な味がする。純粋な美味しさだけで言えば、わたしが知っている小籠包のお店の中では一番美味しいかもしれない。価格もトップクラスなのは言うまでもない。

もう空港に向かうために地下鉄に乗り込む時間になっているにも関わらず、デザートの注文も忘れない、食いしん坊の4人組。

空港での時間なんてギリギリで乗り込めたらそれでいいのだ。いまは目の前にある美味しそうなデザートを注文せずにはいられない。最後の1分まで食べ続けるのが旅の礼儀。

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もっと食べたかったという想いと、まだまだここに残りたいという想い。3泊4日の台湾旅だったが、旅が終わるのが本当に残念でしかたなかった。でも終りが来るから旅なのだ。

そして、わたしはこう思う。終わりたくない旅をたくさん経験するほど、人生は豊かになっていくのだと。世の中には理不尽なことがいっぱいあり、日々の生活だけでもストレスを感じることがいくつもある。

旅はそういうものからわたしたちを開放してくれる。

そしてまた次の旅のために頑張ろうという気持ちにさせてくれる。すべてをやりきった旅ではこうはいかない。足りないからこそ、それがわたしたちの原動力になる。

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それでも、台湾にはまたすぐに遊びに行くのだろう。今回は一緒に行けなかった仲間もいる。きっとそう遠くないうちに台北に戻ってくるのだろう。遅くとも今年の台北マラソンまでには。

次の台湾では何を食べよう。帰国してすぐに台北ナビを眺めながらそんなことを考えている。


ネイバーフッド台北 (Guide for walkable insider)
著者:吹田 良平
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