日本一緩いマラソンレポート「第1回秦野24時間裸足マラソン」

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先にお伝えしておきますが、表題にあるようなマラソン大会はありません。個人的に24時間走るにあたり、名前が欲しかったので勝手に命名しました。

ことの始まりは、毎年参加している夢の島24時間(24時間グリーンチャリティリレーマラソン in 夢の島)が、競技場の改修があって今年は豊洲開催になったことにあります。

当初は豊洲の大会に出るつもりでしたが、路面を確認しにいったところ、裸足で1時間も走ったら足裏が終わってしまうような路面だったので、出場を見送りました。

でも裸足で24時間は走りたいわけです。実は夢の島の路面もそこそこ厳しく、さらに日中の路面温度がかなり高くなることもあって、まともに走りきれた年がほとんどありません。

条件が整えば裸足でどれくらい走れるのか。それが長年抱いてきた疑問でした。

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わたしの24時間の記録はシューズで138.4kmで、裸足なら110.25kmです。24時間の記録としてはかなり平凡です。ただ、裸足でちゃんと走ったら、シューズの記録には追いつけるのではないかという思いがありました。

というわけで、1人で24時間マラソンをやってみようということになりました。

会場は毎日走っている秦野市立大根公園です。ウレタン舗装のコースがあり、かなり裸足に優しい環境です。鶴巻温泉に引っ越してきて、「いずれここで24時間の裸足マラソンをしたい」と考えていた場所でもあります。

スタートは5月18日土曜日の午前9時。早い時間にしたのは、夢の島24時間のように昼間スタートだと2回ほど地面が暑くなる時間があるためです。また、起きてすぐに走れるほうが夜間の眠気を抑えられるという考えによるもの。

実際に、この日の起床は目覚まし時計なしで7時過ぎ。7時間以上ゆっくりと眠れました。

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そこから準備をして9時のスタート。自主開催ですので食べ物や飲み物はすべて自分で用意しますが、普段の24時間マラソンでもそうしているのであまり気にはなりません。

いつもの24時間マラソンは、感覚で走っているのですが、今回は1つのルールを決めました。「50分走って10分休む」。軍隊の行軍として50分移動して10分休むというものを、何かの本で読んだのを実践しようと。

これの懸念事項はトータルで4時間が休憩時間になるというもの。24時間マラソンなのに実働が20時間。

ただ、誰かと競うわけではないので、将来の長距離ランニングのためにも試して起きたかったというわけで実行しました。これは思いの外ハマりました。11時間経過するまでは。

1周1080mのコースを50分で7〜8周するのでが、こんなにも走れるものかと驚くほどきれいに走れます。正直なところ、スタートして3時間くらいで逃げ帰ってくることも想定していました。

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レースじゃないのでリタイアする理由なんていくらでもあります。でも「50分走って10分休む」のおかげで、あれよあれよという間に11時間が経過していました。12時から13時くらいまでは路面の熱さに足裏を消耗しましたが、夢の島ほどでもなく走れます。

結局12時間で90kmという距離。

これは100マイルも行けるかもなんて思いつつも、「そんな上手い話があるわけがない」と自分に言い聞かせます。だって、わたしは24時間マラソンで140kmも走ったことがないわけですから。

この1年で超長距離のレベルが上ったのは事実です。階段レースのためのトレーニングが、明らかに長距離にいい効果を生み出しています。

ただし、走り方を変えてから半年しか経過していないので、やっぱり弱いところから潰れていきます。大腿四頭筋の付け根。11時間を過ぎたくらいから痛み始めました。

その後は入れ代わり立ち代わりで、いろいろな箇所が痛み始めます。もちろん足裏も。

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追い打ちをかけるように、公園は22時(13時間経過)で完全消灯します。ランニングコースの街灯も消えてしまい、足元はまったく見えません。ランニングコースとはいえ、枝や小石が落ちていますので、それをいちいち拾って悶絶。

それでもなんとか距離を積み重ねていきます。0時くらいでもまだ眠けもなく、気合だけでなんとか160kmを狙おうという意気込みではいましたが、そこから睡魔がやってきてすべてが終わってしまいました。

太陽が上ってくればなんとか回復すると思いながらも午前4時前後は1時間で4kmも進めません。それでも寝落ちしたのはトータルで15分程度しかありません。いや、しっかり1時間寝るほうが良かったのかもしれません。

太陽が上って明るくなっても、睡魔は去ってくれません。そもそも足も限界を超えているわけで、ただただ苦しい。でも、自分がやると決めたこと。止めて家に帰るということはまったく思いませんでした。

とにかく、淡々と距離を伸ばしていく。

そして22時間が経過したところで、あと9周走れば150kmを超えられると分かり、ここでスイッチが入りました。眠気が引いてくれたのもあり、着実にラップを増やして残り1時間であと4周。

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スパートをかけるのが早すぎて、この4周がかなり苦しかったのですが、なんとかクリアで151.3kmで完走しました。裸足の自己ベストを40kmも更新し、24時間マラソンそのもののベストも13km更新しています。

大会でもないのに24時間走ることがすごいと言ってくれる人がいますが、わたしは大会よりも単独走のほうが向いているのかもしれません。旅ランなども基本は1人でコツコツ走っていますし。

ですので、決してすごいのではなく相性がいいだけだと思います。でも、結果には満足していません。裸足にはもっと可能性があります。裸足の100マイルも達成できそうな気がします。

というわけで、きっと来年も開催するのでしょう。

ただし、きちんとトレーニングしないとまた11時間で失速するのは明らかです。これを13時間まで伸ばして、プラス9kmを稼ぎ出すこと。そのために、またトレーニングに励むとしましょう。


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著者:岩本 能史
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