中国は何でもかんでもスマホで済ませます。電子マネーだけでなくて観光施設の予約もスマホが必須。このため、街のあちこちにモバイルバッテリーの貸出機が置いてあります。最初、なんでこんなにもたくさんあるのだろうと思いましたが、電池切れしたらすべてが終わってしまう現状を考えると当然ですよね。
もっともそのモバイルバッテリーもスマホを使って借りるわけで、バッテリー容量が20%くらいになったら借りないといけません。もっとも普段から自分でも持ち歩いているのでしょうから、緊急時に備えてといったところでしょうか。ただ、それがかなり手厚いことから、スマホがいかに重要なのかがわかります。
ただ、スマホだけでは、スマホを使ったサービスの半分くらいしか利用できません。スマホと現地の携帯電話番号があってはじめてフルサービスを受けられると考えてください。たとえばアリペイには地下鉄の支払いに使えるミニアプリがありますが、これは携帯電話番号が必要です。
観光スポットの予約をするのにも現地の携帯電話番号が必要です。これに関しては本人の電話番号でなくても問題はありません。実際に私が北京魯迅博物館に行ったときには、スマホ予約が必須でその場で予約をしようとしたら携帯電話番号が必要でした。
そんなものはないので、受付の人に登録できないと伝えたら、その電話番号を入力してくれました。地下鉄のID入力を荷物検査のスタッフが自分の番号を入れてくれたという話も聞くので、そのあたりはかなり緩い感じがあります。ただ、電話番号が必要なんです。
これはもう北京の携帯電話番号を入手するしか……と思っていたのですが、そのような状況に対応してくれるサービスがあるというので、このあと気力が残っていれば使ってみようと思います。とにかく電話番号がないことには何もできないので。
そういえば電子マネーが主流になったときも、外国人旅行者が置いてけぼりになっていましたが、昨年からAlipayもWeChat Payもクレジットカードに対応しているので、外国人旅行者もスマホ決済ができるようになっています。そうなって浮かび上がったのが今回の携帯電話番号問題。
きっと中国政府もそれを把握しているのでしょうが、システムを大きく変える必要があるでしょうし、安全を確保できるかどうかの検証も必要になるでしょうから、早くても1年はかかるとは思います。簡単に変更できないくらい大きなシステムになっているはずですので。
いずれ適応されるとはわかっていても、移動のたびに窓口で切符を買うのも面倒というのも事実。自転車を使うという選択肢もありますが、ビールを飲んでしまうとそういうわけにもいきません。やっぱり現地の携帯電話番号があるのが便利です。
正直なところ電子マネーを使えるようになったものの、買い物や食事では便利さを体感できますが、それ以外のところではまだまだ不満が残ります。私はそれなりに現在の中国に慣れてきましたが、初見の人だとなぜサービスの登録ができないのかで悩んでしまうかもしれません。
何よりもそういう情報がかなり少ないというのが実情。北京旅人でも情報を随時更新していきますが、変化が早すぎてついていけないくらい、状況が刻々と変わっていきます。きっと今のままではビザ不要になっても、中国観光するのはハードルが高いまま。
わざわざそんな面倒なことをしてまで中国に行く人は限られています。韓国や台湾なら、もっとスムーズに旅行できるわけで、そういう意味では万里の長城マラソンの集客もしばらくは伸び悩みそうな気がします。電子化は便利になるけど、必ず取り残される人が出てくる。それを仕方ないこととできるのが中国の強みなんですけどね。