走れば街がわかる:旅先ランニングのすすめ

旅先ではランニングをしてこなかった私ですが、愛媛マラソンに向けて、とにかく隙あらば走りに行くというスタイルを貫きだしてからは、どこに行っても走るようにしています。先日の名古屋も到着してすぐにバンテリンドームまで走り、翌朝は熱田神宮の近くまで。

そして取材の途中で時間ができたので、名城公園までひとっ走り。走ったのは名古屋の一部ですが、それでも自分の足で駆け抜けたことで、これまで点でしか捉えていなかったエリアの位置関係を、なんとなく把握できるようになりました。

熱田神宮は東海道にあるので何度もその前を通過していますが、そこから名古屋駅や栄に行くということはしてこなかったので、なんとなく南側にあるくらいにしか把握していませんでしたが、どの道を走っていけばいいのかわかるようになりました。


これまでやってこなかったわけですので偉そうなことは言えませんが、旅先ではやはり走るべきです。北京も札幌もかなり走り込みましたが、全体的な位置関係や街の規模などをより高い精度で把握できるようになりますし、そこには新しい発見もあります。

今回興味深かったのは、愛知県庁や名古屋市役所が昔の姿のまま残っていたということ。名古屋は戦時中に何度も空襲を受けているはずで、それなのに県庁も市役所も被害にあうことなく残されている。これはかなり興味深いことで、深堀りすればいろいろな事実を知ることができるはずです。

ただ、名古屋に行ったのは今回で3回目で、どうも上手くハマれない感じがあります。好きとか嫌いとかではなく、例えば北海道や東北は、どこにいってもパズルのピースのように、しっかりとハマります。名古屋は熱田神宮のせいもあるのでしょうけど、どうも気持ちが落ち着きません。


これは名古屋に限ったことではなく、日本全国どこにでもそういう場所があります。初期の鹿児島がまさにそうでしたし、近寄りがたいという意味では高知も磁石の同極同士のように反発します。沖縄も溶け込むことはできず、お客さんのまま戻ってきた記憶があります。

ただ、そういうことも走ってみると感じることが変わることもあります。名古屋の場合には、走れば走るほど距離を感じてしまうので、前世が余程ひどいことをして、出禁にでもされたのかもしれません。それに反比例するように名古屋でのステアクライミングを面白く感じるのも不思議なのですが。

いずれにしても、その街を走ることで街への想いに深みが出てきます。苦手というのも一般的にはネガティブな評価になるのかもしれませんが、私にしてみると関連性が深くなっていることを意味するわけで、無関心よりも身近な存在へと変わっていきます。


こういう体験により、これまで走ってこなかったことを少しだけ後悔しているのですが、きっと以前の私が走っていたとしたら、同じような体験にできていなかった可能性があります。運命なんて言葉で片付けたくはないのですが、今が旅先でのランニングを始めるタイミングだったのでしょう。

これができるようになると、マラソン以外でも遠征できるようになります。これまでは「八丈島に行きたい」と思っても、そもそも目的がなかったりするので行くのをやめたりしていたのですが、今の私なら走ることを目的にできます。

まだ具体性がないのでこれを事業にすることはできませんが、いつか旅ランツアーなんかもやってみたいところです。これまで走った場所ならガイドもできますしね。もっとも事業化するなら「東京旅ラン」や「横浜旅ラン」で十分なわけですが。

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