代わりはいない:日本の未来はどうなるのか

フルキャストの仕事をしていると、地域のことがよくわかるようになります。私が暮らしているエリアの近く、本厚木や海老名の周りにはかなりの倉庫仕事があるのですが、これは圏央道や東名高速などのインターから近いことが要因のひとつとなっています。

土地の安さも影響しているのだと思います。こういう仕事は東京23区内にはあまりありません。まったくないかというとそうでもなく、たとえば羽田空港周辺だと倉庫仕事がいくつかあります。でも、厚木周辺はこんなにも物流系が集まっているのだということを、最近になって知ったわけです。

そして、その多くがとにかく人手不足で、常に人を募集している状況にあります。だからその気になれば毎日だって働けます。最初の頃は働いた上に1日20km走っていたのでヘロヘロでしたが、立ち仕事に慣れたのと1日10km程度しか走らなくしたこともあり、そこまで疲れなくなりました。


ただ自分の仕事もあるので、できるだけ1日の業務時間が短くなる仕事を選んでいます。もちろん1時間とか2時間とかそういう仕事ではなく、拘束時間が6時間とか7時間という仕事を週に3〜4回で、9時間拘束(8時間労働)を週2回くらいといった感じです。

稼ぐことを考えるなら、もちろん8時間労働を週5〜6日すべきですが、私には自分でやらなくてはいけない仕事もあります。お金を稼ぐための仕事だけでなく、自分の立場を作り出したり、自分のやりたいことをやったりする仕事もあるわけです。

それらの仕事は、あまりお金にはなりません。でも、私がランニングの世界で様々なことに挑戦するのに、そのような仕事がとても重要になります。RUNNING STREET 365もそうですし、万里の長城マラソンもそうです。そして、このブログも意外と重要だったりします。


そのような仕事をしているから、私は唯一無二の存在になれるわけです。そういう意味では派遣社員は代わりがいる仕事です……と言いたいところですが、どうやら派遣社員はいつの間にか「代わりはいくらでもいる」時代ではなくなっているようです。

派遣社員という働き方が成立したのは、氷河期世代がいたからこそ。私が会社員になった頃は、就職活動もかなり大変で、完全に買い手市場でした。それこそ就職できずに、一般派遣で働き始めた人も多かったはず。そういう人が溢れていたので、派遣先は選び放題だったわけです。

でも、今は少なくとも普通の20代が派遣市場に出てくることはありません。なぜなら、今の就職活動は売り手市場になっており、しかも初任給は上がっていますし、以前のようなパワハラもなくなりつつあります。サービス残業なんて、ブラック企業でもないかぎり発生しません。


そんな状況で日雇い派遣で働く20代がいるとすれば、役者や芸人、モデルなどの仕事で食べていこうという人くらいです。でも、そういう人もコンビニの夜勤をすれば時給1,400円で働けます。夢を追いながら、それなりの収入を得ることができます。

もう派遣の世界は「代わりはいくらでもいる」ではなく、「代わりはいない」時代になっています。それはこれからさらに顕著になっていき、派遣社員の待遇ももう少しよくなるはずです。日雇い派遣でも時給1,200円があたり前になるまでそう時間はかからないはずです。

でもそうなると小さい会社は生き残れなくなる。新入社員も雇えず、派遣社員もコストに見合わない。そろそろ脱昭和をしないと本当に取り返しのつかないことになりそうですが、それは私の役割ではないので、どうなっても生きていけるよう、今日もまた淡々と働くだけ。

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