
ようやく朝晩は涼しくなってきたと思って、昨日の朝に意気揚々と朝のポイント練習に行ってきたのですが、思ったよりも足が動かず、ウォーミングアップのタイミングで嫌な予感。走り出してみたら、4分20秒を切っていて、キツいなりにこのタイムを出せるなら大丈夫かなと思っていたら、5kmで限界でした。
10kmを走るつもりだったのですが、あまりにも足が重くて、ここで粘ってもしょうがないと判断。足のグリコーゲンが回復していなかったのでしょう。ここ最近は自宅仕事ということもあって、1日20〜25km走っていたので仕方ありません。そして、それに加えての朝6時台とは思えない日差しの強さ。
夏のピークは過ぎ去ったとはいえ、日中はまだまだ危険な暑さが続きます。夕方のランニングを公園に戻すのは、持つしばらく待つとしましょう。ただ、こんな疲労具合でも、トレッドミルならそこそこ走れてしまうんですよね。トレッドミルがすごいのか、私のコンディションが上がってきたのかはわかりませんが。
もうキロ6分くらいなら、グリコーゲンをほとんど使わずに走れているのでしょう。ただ、早いところ公園に戻りたいというのはあります。トレッドミルは快適に走れますが、自分の意思でペースをコントロールしていないので、安定したフォームを維持しながら自発的に走るということができません。
その代わりケガのリスクが低いというメリットもあるので、一長一短なのですが。大事なのは理屈を理解して、自分なりに対応していくということ。それはランニングだけの話ではなく、あらゆることに当てはまります。ただ、この理屈の部分を軽視している人が最近よく目につきます。
SNSというのはさまざまなタイプの人が集まっており、間違った知識、古い常識を振り回して、賢者のふりをしたり、被害者ぶったりする人もいます。むしろそのような人ほど人気があるのですが、それはそれで何となく分かる気がします。誰もSNSでシリアスな話なんて聞きたくはありませんから。
最近気になったのが、あるメーカーのランニングシューズのアッパーが剥がれたという投稿。不良品だとか騒いでいて、自分もそうなったと周りがさらに騒ぎ立てる。でも、こんなに高い気温の中を走れば起こり得ることだということが、少なくともアパレル関係の人や機械設計の経験者ならわかります。
ランニングシューズのアッパーとソールは接着剤でくっついています。その接着剤というのが、おそらく60℃くらいで溶け始めるのだと思います。そして気温が36℃くらいあるときの路面温度がそれくらい。ちょうど溶け始めるタイミングで、そこに強い力がかかると、アッパーは簡単に剥がれます。
だったら耐熱性の高い接着剤を使えばいいじゃないかと思うかもしれませんが、接着剤というのはとても奥深く、実にたくさんの種類があります。そして、くっつける物同士の相性もあって、「この特性を持った接着剤しか使えない」なんてことかよくあります。そしてもうひとつ大きな問題があります。
一般的なソール材のEVAの耐熱が70〜90℃ですから、接着剤の溶け出す温度はそれ以下にしなくてはいけません。すなわち、必然的に60〜70℃で溶け出す接着剤を使うことになります。そうしないと接着剤を付けたソールが溶けてしまうので。そして、ここからは仮説ですが、最近の高反発なソールは耐熱温度がさらに低く、しかも接着が難しいことが考えられます。
高反発なソールは大きく変形し、それに対して最近のアッパーはリサイクル素材を使っているので伸びにくい。くっつける物の組み合わせとしては相性が良くありません。だから接着剤がかなりシビアになり、以前のシューズよりも夏の暑さに弱くなる。
でも「◯◯メーカーのシューズは剥がれないよ」という人もいますよね。むしろそれこそ接着剤の難しさを表しています。剥がれないメーカーは耐熱性の高い接着剤を使えているだけのこと。それも路面温度があと5℃上がったらどうなるかわかりません。だから、真夏の暑い時間に走らないほうがいいんです。体だけでなくシューズも壊れるから。壊れなくてもシューズの寿命は確実に短くなりますしね。