ブルーカラーと呼ばれる職種の人に対する敬意が欠けている。そんな話題がXで話題になりましたが、汗をかく仕事というのは少なくともこの国では、軽んじられているのが事実。学生時代に勉強ができなかった人が就く仕事というイメージがあるからかもしれません。
確かにその傾向はありますし、高度経済成長を経て、子どもがいわゆる「3K」の仕事に就かないように親は教育をしてきました。そういう仕事に就くと本人が苦労することになるので、勉強をさせていい大学に行って、一流企業に就職して、少しでもいい暮らしをできるようにしてきたわけです。
下手すればブルーカラーの人たちを指さして「勉強しないとあんな風になるよ」と、子どもに教えている親もいます。その気持ちはわからなくはないのですが、その結果がブルーカラーへのリスペクトが足りない現状を生み出しているわけです。そんな環境で育ったら、誰だってブルーカラーを軽視するようになります。
そして現状の人手不足になるわけです。一昨日も倉庫でアルバイトしましたが、正社員は残業規制もあるためそれほど長く働けません。でも物流は減るどころが増える一方です。そしてブルーカラーの仕事だから新人が増えません。あまりにもネガティブなイメージが定着していて、怖さすら感じている人もいるはす。
確かにブルーカラーの人たちの多くは、ホワイトカラーになれなかった人たちで、真面目にコツコツというタイプは多くありません。ではホワイトカラーで働いている人が、ブルーカラーとして働けるかというと、まず無理だと思います。力仕事を毎日続けられる体力と筋力が彼らにはあります。
また、ブルーカラーの仕事はなくなることはありません。どれだけ機械化が進もうとも、人力での作業が必要になります。完全オートメーションで荷物の仕分けはできませんし、引越し作業などもできません。彼らがいなければ、いまの日本経済は回らないわけです。
本来はそういう仕事こそ、高収入であるべきです。実際に最近はブルーカラーの仕事のほうが稼ぎやすくなっています。社会に必要とされて、それなりに稼げているのに、リスペクトされない。それが現代社会が抱えている歪みのひとつ。もっとも「リスペクトすべき」なんて啓蒙するような話でもありませんが。
ただ、ここを改善しないと人手不足によって、日本経済は間違いなく停滞します。誰もがやってみたいと思える仕事であること。そのためには社会全体が変わっていくことが求められます。でも、変わりそうにないので、停滞していくんだろうなと思っています。だからそれに備えるだけ。
肉体労働をしてみると彼らがいかに凄いかがよくわかります。毎日の仕事がトレーニングであり、本人たちも気づかないところで鍛えられていて、普通の人なら数日で投げ出すようなキツい仕事を毎日こなしています。体力にはそれなりに自信がある私でも、毎日は無理です。
では、世の中が変わらないならどうするか。何を備えるべきなのか。確実なのは社会がコンパクトになるということです。そもそも人口が減っているわけですから、これまでのような広さは必要なくなります。都市への一極集中はさらに進むでしょうし、限界集落はひとつずつ消えていきます。
それに対して自分がどのような手を打つか。一極集中に乗るのか、それとも人が減っていく地方に移り住むか。正解はまだわかりませんが、私の場合は「拠点を持たない」が自分らしいように思えます。どんな仕事でも続けられるだけの体力を維持して、ライティングも旅ランもしながら転々とする。
まだそれをやりきれるだけの準備はできていませんが、社会の歪はすでにかなり大きなものになり、すでに取り返しがつかない状態なっています。だから悠長なことを言ってられません。やりたいことをきちんとまとめて、それを実現するためにできるだけ早めに動き出そうと思います。