参加者がそれほど多くない大会なので、スタートブロックは目標タイムごとに自由に並ぶ。こういうところが弘前らしいなと2日間の滞在で感じたこと。それは性善説のようで、人の心理をコントロールする術に長けているからこそできることで、弘前は万事がそんな感じがします。
それはともかく、スタートのアーチの向こうにいる福士加代子さんの笑顔がはっきり見えるくらい近いところからスタート。ただ、スタート直後がかなり強烈な下り坂。そして目の前に岩木山どーん!あまりの迫力に「わあ」なんで声に漏らしてしまい、隣の人に変な顔で見られてしまいました。
話は少し戻って、会場に向かう前の着替えの段階で異変に気付きました。2XUのハーフタイツがスカスカです。いや、少しは圧迫しているのですが、以前のようにギュッとした感じがなく、優しくサポートしてくれている感じ。それだけ足が細くなってたんですね。
そして、やはり軽いことでの恩恵をしっかりと感じながら走っていました。前半はほとんど頑張っていません。むしろスピードを出しすぎないように自重するくらいで、着実に1kmを積み重ねていきます。Zeppアプリがいうには私はキロ4分36秒がベストだというので、上り坂に備えてキロ4分20〜30秒で走ってましたが、全然余裕。
1年前の盛岡シティマラソンではキロ5分を維持するのが精一杯だったのに、キロ4分30秒でも遅いと感じるくらいにまで戻ったのは、やはり体が軽いことが影響しています。1年前と比べたら5kgくらい軽くなっているかもしれません。
それに加えて月間走行距離が400kmを超えているわけで、これくらい練習すれば42.195kmという距離を短く感じるものです。唯一の不安要素は1回に11〜12kmくらいしか走っていないこと。実際にその影響は後半に出ており、やっぱり距離走は大事だと反省しています。
ただ上り坂になる前半でも、大きく崩れることなく景色を楽しみながら走れたのは大きな収穫。コース上はどこを見ても美しくて、ずっとキョロキョロしていました。それはもうお上りさん状態で、きっと周りのランナーからしたら変な人に見えたはずです。
ことあるごとに「いま青森を走っている」「いま津軽を走っている」と思うわけです。そして岩木山がいいところで現れるわけです。このコースを作ったのは神様か何かなのでしょうか。とんでもない視野を持っているか、徹底した繰り返しの下調べがなければ、こんなコースを組むことはできません。
こういう大会があることを、まだ世の中のランナーは知らないわけです。知っていても弘前へのアクセスの悪さで敬遠してしまう。でも、弘前・白神アップルマラソンを走らないなんて、ランナー人生において大きな損失のひとつです。ここはもう、ただただ美しい。
そうはいっても、やっぱりマラソンは準備のスポーツ。体重をしっかり落とせたのはよかったのですが、数日前に風邪を引いたり、弘前入りをしてからも歩きすぎたりと、マラソンを走り切るだけのコンディションにこだわれなかったのは大きな失敗。
愛媛マラソンでは同じようなことのないように気をつけます。そのコンディションの中で3時間19分52秒は、ぎりぎり次第点といったところでしょうか。残り5kmでの失速は、シンプルにグリコーゲン不足によるもの。しかも折り返し地点ですでに空腹感があるなど、準備不足は明らかでした。
ただ、この体重を維持できれば、それほど準備しなくてもサブ3.5はどうにでもなるとわかったのも収穫。来年以降は本気で走ることはありませんが、やはり52kg台はキープしようとは思います。結局のところ、マラソンのタイムなんて体重で決まるわけですから。