
アルバイトは基本的に決まった派遣先数社に行くようにしているのですが、パーソナルトレーニングやライティングの仕事の合間に働くので、いつもの職場に行けないことが時々あります。そういうときは新しい職場に行くのですが、新しい気持ちで行けるので、それはそれで楽しいものです。
先日は初めてラインでの仕事を経験したのですが、座っての作業ということもあり、翌日はお尻が筋肉痛になり、座り仕事も楽ではないということを実感。もしかしたら私の場合、立ち仕事のほうが楽なのかもしれません。しかもラインは単純作業をひたすら繰り返し。
1日が長く感じるかなと思ったのですが、集中して働いていると、意外とあっという間でした。どことなくマラソンに似ているところもあって、いろいろ考えていると1時間なんて驚くほど早く過ぎ去っていきます。それくらい集中しないとミスをしてしまうというのもあるのですが。
ラインの仕事は完全にロボットの代わりで、こんな作業を人がやるんだという新鮮な驚きがありました。思ったよりも細かい作業で、ロボットだとかなり高性能なものが必要になるのかもしれません。コスト面から考えても人がやったほうがいいという経営判断もあるのでしょう。
そもそもこういう仕事は中国で行なっていると思ったのですが、最近は中国も賃金が高くなって、多少は賃金が高くても、メイドインチャイナよりもメイドインジャパン、チャイナリスクの回避というのがトレンドになっているのもあるのでしょう。
いずれにしても、作業は淡々と進み、ロボットのような正確さが求められます。ただ、1人のミスを責めるようなことはせず、上手くできてないケースでも、みんなに伝えるようにして、「しっかりしてください」なんてことは言わず。とにかく流れを止めないための配慮が行き届いています。
確かにこういう規律の取れた働き方は日本人が得意です。高度経済成長期が成立したのも、このような国民性があったからなのかもしれません。同じレベルの仕事を海外の工場に求めるのは無理があります。やはり日本はモノづくりに力を入れるべきで、観光よりもそこに活路を見出したほうがいい気がします。
ただ、その仕事を続けたいかというと、それはまた別の話。私の場合、倉庫の仕分けのほうが適しています。体力と判断力が求められる仕事で、働きに行くたびに違う経験ができます。そこは好みの問題で、かつてなら私が行ったラインのような仕事は女性の仕事で、倉庫の仕分けは男性の仕事と棲み分けができていました。
今はその境目がなくなって、簡単なラインで働く男性もいれば、倉庫で働く女性もいます。倉庫の仕事も、作業者に無理をさせない方向になっているのもあるのでしょう。30kgもあるような荷物を、手で運ぶようなことはほぼありませんから。
私は古いタイプの人間なので、それぞれの能力に適した仕事に振り分けたほうが効率的だと思うのですが、もうそれができないくらい、人手が足りなくなっているのかもしれません。夫婦共働きが当たり前の時代で、男性がデスクワークして、女性が力仕事に就くなんていうのも珍しくないのでしょう。
そういう時代を受け入れなきゃと考えていたこともあるのですが、最近は世の中が変わっても、自分は変わらなくてもいいのかなと思い始めています。いまさら変われないというのもありますが、そろそろ50歳になるというのに、世の中に右往左往させられるのはみっともない。
時代に取り残されても自分らしく。食べていくためにラインの仕事もするかもしれませんが、大量が続くうちは倉庫でも食品会社でも、立ち仕事を優先してやっていくつもりです。来年の夏には「エアコンが効いてるラインが快適」とか言っている可能性もありますけどね。