ランニングフォーム:自分の走りを取り戻す

パーソナルトレーニングをするにあたって、走り方の基本から教えています。そもそも「マラソンを走るとはどういうことなのか」をわかっている人が少なく、ほとんどの人が自分の感覚で走って「なんかおかしい」となっています。その感覚があるだけいいほうで、おかしいことに気づかない人が大半。

ただ、基本の動きは誰にでもできることなので、みんなすぐに走り方が変わります。定着して無意識にできるようになるまで、多少の時間はかかりますが、継続できている人は、結果を出しています。ただ今日は、それを自慢したいわけではなく、自分自身の話です。

教えていることを自分で確認するために、いろいろ試してみるわけです。自分でやってみてハマらないことを教えても意味がないので。その中のひとつに「体を前傾させる」というのがあります。地面を蹴らない感覚を身につけてもらうとっかかりとして、そう教えています。


もちろん自分でも試します。そうしている間に、どうやら自分の走り方を見失っていたようです。昨日10kmのペース走をしようとしたのですが、設定ペースを維持できず、4kmちょっとでギブアップ。そんなにキロ4分5秒の設定なのでそれほど速くはありません。

それなのに「これ以上は危険」という領域に入っていたので、無理せずストップ。そしてそこからもう一度というわけにいかないので、3kmだけベースを上げて走ってみようかと。そのとき、なぜか前傾ではなく、骨盤を立てる走り方になっていました。なぜそうなったのかはわかりません。

ただ、ものすごく呼吸が楽になって、それでいて簡単にキロ4分を切るペースになります。結果的には途中でトイレに行きたくなって、中断しましたが。トイレで何が起こったのかを考えてみました。そしてたどり着いたのが「フォームを崩していた」ということです。


私はそもそも後傾で、背中の筋肉を使って走るタイプです。だから前傾してもかなりわずかだったので気づきませんでしたが、ほんの少しだけ前傾したことで、背中の筋肉が連動しなくなってきました。体全体で走らなくてはいけないのに、腰から下だけで走っていたわけです。

それでも、それなりに走ることはできます。サブ3.5くらいなら余裕であることは、弘前で証明しました。でも、そこら辺で気づくべきでした。自分が自分本来の走りを見失っていたことを。どこでも、そこそこ結果を出せていたからこそ、上手くいっているのだと勘違い。

危うくそのまま愛媛マラソンに向かうところでした。ここから立て直ししなくてはいけませんが、元に戻すだけなのできっと大丈夫。いや、元に戻しつつも、今回のことで学んだこと、教えていることをしっかり体に落とし込めていることで、成長できている可能性があります。


ランニングは気づきのスポーツ。どこがおかしくて、なぜ走れないのかを探求していく。私はそれが楽しくて走り続けています。走っている限り、私は探求者でいられるわけです。そして、必ず答えが用意されていて、以前よりも速く走れるようになります。

まだまだ成長の途中。もしかしたら愛媛マラソンの後も、もっと成長できる余地があるのかもしれません。でも、いつまでも速さばかり探求するわけにもいきません。ランニングにはまだまだ可能性があり、知りたいことは無数にあるわけですから。

だから速さの探求は愛媛マラソンまで。結果的に速さを求めなくなったら速くなるという可能性はゼロではありませんが。頑張ったから結果が出るという領域ではなくなってきているので、何が正解なのかはまだわかりません。ただ、これからは元のフォームを見失わないようにだけは気をつけます。

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