ランニングに限らず、スポーツにおいては「体幹」が重要だとされています。体幹が安定することで、動作をスムーズに行えるようになりますし、動きの再現性が高くなります。体幹が不安定な場合、どんな動きも再現性が低くなり、トライアンドエラーができません。
自分が「今の動き良かった」と思っても、体幹が不安定だと、同じ動きをしたつもりでも、体のブレによって違う動きになってしまい、1度の成功を次に繋ぐことができません。ランニングの場合は、体幹を安定させることができると、内臓の揺れを最小限に抑えられるといったメリットもあります。
いずれにしても、スポーツどころか日常生活においても体幹の安定は必須です。その体幹を語るときに「軸」という表現を使うことがよくあります。私もよく使っていた表現なのですが、軸を意識すると走りは安定するものの、とても繊細なコントロールが求められ、意識を継続することが困難でした。
どころが、あるYouTube動画を見ているときに「面」という考え方に出会いました。その動画では、体を前後に分ける面、左右に分ける面、そして上下に分ける面について説明されていましたが、その平面をどう使うかまでは解説されていませんでした。
おそらく、続きの動画でその解説があるのでしょうが、私にとっては「平面」を意識することに強いインパクトがありました。自分の動きを軸で考えるとあまりにも繊細なコントロールを求められますが、平面で考えるとやるべきことが明確になって、それほど集中力を高めなくても、理想の走りができます。
体を8分割していることになるのですが、それぞれを個別に考えるのではなく、まず体の左右どちらで起こっていることなのか、そして前後はどうなってるのかという4分割で体をチェックしてコントロールします。上下を分ける平面は重心の高さを引き上げるために使っています。
あとは前傾にしたり後継にしたりするときも、体を前後に分ける平面と合わせて、上下に分ける平面を使います。この考え方のいいところは、イメージの中でしっかりと基準を作れることです。軸というのは基準点が2つないとイメージすることが難しいのですが、平面はわりと乱暴に分割しても破綻しません。
そして、これまでは1度に1ヶ所しか意識を飛ばせなかったのに、これにより曖昧さが消えて、複数の箇所を同時に意識できるようになりました。右膝の動きを意識しながら、肩甲骨の開きを調整するなどできるようになっているので、走りながらいろいろテストできています。
その結果、どうも「まっすぐ歩く」ができていないという気づきがあり、いま「歩くとは何か」をテストしているところです。なぜ同じ動きを淡々と繰り返せないのか、なぜ歩いていて左右に振れてしまうのか。人体の不思議に驚きつつも、これを改善できるのかどうかかを試行錯誤中。
以前から薄々気づいていました。1歩に再現性がないことを。きっとそれはランニングも同じで、勢いがついているから表面化していませんが、私たちランナーの多くが「まっすぐ走れていない」気がします。少なくとも私はその中の1人です。
そして、それを改善するにはまず、まっすぐ歩くことから始めなくてはいけません。なぜまっすぐに歩けないのか、なぜ同じ1歩を再現できないのか。それは人間としていいことである可能性もありますが、少なくともマラソンにおいてはデメリットです。
軸ではなく平面という考え方を手に入れたわけですが、それについてはこれから試行錯誤していきます。その結果はすぐには出ないとは思いますが、とにかくやってみないことには始まりません。何か得られたら、またここで報告するとしましょう。