1日に何キロ走るべき?:何のために走るのかで答えは違う

ランニングというのは健康的なスポーツというイメージがあるかもしれませんが、突き詰めていくと、これ以上ないくらい不健康なスポーツです。酒は百薬の長と言われているのと同じで、ランニングも百薬の長でありながら、過ぎたるは何たらという点も共通しています。

とにかくフルマラソンは不健康で、毎年のようにマラソン大会でランナーの方が亡くなっています。それくらい高い負荷があるので、本来なら「市民マラソン」なんて10kmくらいにしておくべきで、フルマラソンで「市民マラソン」というのは本質を欠いたイベントともいえます。

もちろん「健康」というのは体だけのことではなく、心も影響しているので、難しい課題に向けてチャレンジすることが、心の健康につながる面も無視するわけにはいきません。ただ、健全な魂は健全な肉体に宿るわけで、走り過ぎて不健康になった体には、健全な魂は宿りません。


ランナーは走れば走るほど、周りが見えなくなっていきます。自分だけが正義であって、考えの違う人は間違っているという思考になりがち。でも、ランニングは自分と向き合うスポーツで、毎日1時間も2時間も走っていれば、自己中心的な考え方にもなります。

要するに、基本的にランナーは走りすぎなわけです。お前が言うなという総ツッコミが入りそうですが、私は健康的になりたいわけでもなければ、たくさんの人に好かれたいわけでもありません。寿命が短くなったとしても、いま走ることを経験したい。

では、健康のために走りたいなら、どれくらい走るのがいいのか。これも考え方はいろいろありますが、「毎日30分」走るのが理想だと考えています。「毎日」というのも「30分」というのも重要です。どちらが欠けてもいけません。どちらも守ってください。

ペースや距離は無視してください。1日30分、自分の好きなペースで走る。それさえしておけば、たとえば10kmのマラソン大会は歩かずに完走できます。それでいて、健康的にもなります。人によっては食欲も湧いてきて、体重が増えるかもしれません。

でも健康目的なら、体重が増えたところで問題はありません。大事なのは毎日30分走り続けるということ。それをやめなければ、いずれ体重は落ちてきます。問題なのは、それ以上の時間を走ろうとすることです。たくさん走って痩せるのは、決して健康的な行動ではないので気をつけましょう。

でも、走る目的がフルマラソン完走とかになってくると話は変わってきます。不健康だろうが挑戦したいという人を止める理由は1ミリもありません。本気で取り組むというのであれば、まずは「毎日1時間」走ることです。毎日1時間を3ヶ月。


そこから1時間のランニングを1日2回できる自分を目指します。これが「本気で取り組む」ということです。そんな時間がない?別に構いません。その範囲内で練習して、それに見合う結果で満足すればいいだけ。ただ、自分のポテンシャルを100%引き出せるわけではありません。

自分のポテンシャルを、自分の可能性をすべて引き出したいなら、毎日1時間+1時間のランニングをすること。それが1日に何キロ走るべきかの答えです。でも、自分のポテンシャルを引き出すなら、そこからポイント練習や筋トレなども入れていくことになります。

ランニングに何を求めるのか。その答えによって、何キロ走ればいいのかの答えは違います。そして、どこまで時間をかけられるのか、人生をかけられるのかによっても異なります。なので、実際のところ「何キロ走ればいい?」というのは質問として間違っているというか、情報がなければ「知らんがな」というのが私の回答です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次