最近、企業の悪い対応に対してXなどのSNSで呟いて、大問題に発展するというケースが増えています。今回話題になっているのはGUのネットショップで購入した商品を、タグなどを付けて定められた方法で返品したら、それらを取り外されて「返品できない」と戻ってきたのだとか。
現時点でわかっているのはそれだけで、間違いなくどこかに悪者がいるわけですが、これだけの情報では、誰が悪いかを断定することはできません(警察ではないので断定する必要もないのですが)。ただ、こういう話は必ず炎上して、企業が何らかの手を打たなくてはいけなくなります。
SNSが個人メディアになる前なら、企業はもみ消すこともできましたが、今の時代はそんなことをしようものなら、火に油を注ぐことになります。だから、大手企業はかなり慎重に顧客対応しています。今回のように、正しく返品したものを、「正しく返品されなかった」と突っぱねるなんてことはまず起きません。
私の想像力をフルに働かせて考えられるのは、GU内に返品率のような評価項目があり、何らかの理由で担当者の立場が危うくなって、タグなどを外して返品を受け付けられなくしたくらいでしょうか。でも、そんな評価項目があるかどうかは知りません。
返品率くらいは確認しているはずですが、それが上がることが個人の問題になるようなことは考えられません。小さな会社なら「今度返品されたらクビ」みたいな話はあるかもしれませんが、可能性はゼロではありません。ただ、可能性がゼロではないのは投稿者に問題があるということも同じです。
だから、どちらが悪いなんてことをここで語るつもりはないのですが、なぜこんな面倒な時代になってしまったんだろうと。あらゆることが複雑で、昭和脳の私にはついていくことができません。まずこのようなトラブルが起きることもそうですが、SNSで話題になるということが私には理解できません。
あくまでも個人に起きたトラブルであり、日本人の気質なら「われ関せず」になってもおかしくない話なのに、なぜか多くの人が反応して炎上する。そして企業側が何らかの手を打たなくてはいけなくなる。ただファーストリテイリングのスタンスからすれば、毅然とした態度で折れることはないはずです。
社内調査をして、GUのスタッフに問題があったと発覚すれば話は別ですが、「折れたほうが傷が小さくなる」みたいな判断をする企業ではありません。自分たちに正義があるとすれば、徹底して対抗してきますし、下手したら名誉毀損などで訴えられる可能性すらあります。
何とも殺伐とした時代になったものです。SNSで悪評を拡散されれば、立場が弱くなるのは企側。不買運動にも繋がります。だから対応をきちんとしなくてはいけません。その点においては、消費者側が一方的に弱いわけではない分だけ、健全だとは思います。
何かトラブルがあったとき、理不尽な思いをしたときに吐き出せる場所としてSNSを使う気持ちはわかります。SNSをそんなことに使ってはいけないと言うほど私は高尚な人間ではありません。北海道時代、このブログでエスコンでのファイターズのことを強く非難したこともありました。
ただ、当事者でない人が深く考えもせずにシェアしたり、コメントしたりするのは違う気がします。自分も同じことがあったという声ならわかります。でも、被害に遭ったわけでもなければ投稿者の知り合いでもない人が、面白がってか、正義感かわかりませんが囃し立てるのは理解できません。
仮に正義がGU側にあったとき、きちんとリスクを負える覚悟はあるのだろうか?ファーストリテイリングは、そのあたり徹底して追求してくるタイプの会社です。SNSをどう使うかは自由ですが、踏んでも大丈夫な尻尾とそうでない尻尾くらいは見分けられるようにしてから絡むことをおすすめします。