いよいよ2024年もあと1日で終わりますが、新年を自宅で迎えるのは4年ぶり。昨年までは伊豆高原の宿でおせちの盛り付けをしていたわけですが、自分1人だけの食事となると、おせちなど作るわけもなく。ただ、雑煮は毎年作っているので、今日スーパーに行けたらお餅を買ってくるつもりです。
おせちといえば、ベルーナのおせちが物流の関係で1.5万個も届けられないとのこと。まず、それだけの数の注文があることに驚かされますが、1.5万個分の食材が無駄になるということで、これはとんでもないことです。ベルーナを責めるつもりではなく、とんでもないことだという話。
しかも、物流の手配ミスということで、考えられるのは食材が届かないか、配送業者を確保できなかったかのどちらかになります。といことは、ほぼ完成しているわけで、それを作る仕事をしている人もいたわけです。実際にフルキャストにもおせちの盛り付けの案件が出ていました。
以前からお伝えしていますように、私は物流の現場でアルバイトをしているのですが、物流の人手不足はとっくに限界を超えています。人手を増やしたくても、収益性が低く給料が安いのでとにかく忙しい。それを補うのにフルキャストやタイミーを使うので仕事の質が下がります。
物流の仕事は誰にでもできるようなシンプルなものなので、忙しさに合わせてアルバイトを使うのは経営判断としては正しいのですが、例えば箱を積むときの手順などはちょっとしたコツがあります。だから、指揮を取る人がいないと成立しません。
それは他の仕事でも同じで、大抵の職場では指揮命令系統が明確になっているのですが、物流だけは指揮命令権のある人が忙しすぎて、そこまで手が回っていません。このため破損や手戻りなどが発生することもあります。Amazonなどで買い物をしたら箱がボロボロになっていたなんて話をたまに聞きますが、物流の世界にいると「当然の結果」であり、別に驚きもしません。
物流や介護など、本当に人手が必要で、それでいて個人にかかる負担の大きな仕事はもっと優遇されるべきです。週休3日制にして、2日までしか連続で働けないようにする。待遇を今の1.5倍にすれば、人手不足も解消できます。当然ですが、それだけ物価も上がります。
でも、それくらいの対応をしないとベルーナおせちのようなトラブルはこれから発生し続けます。ただ、おせちとかクリスマスケーキとかは、通販で買わなくてもいいのではないかとは思います。おせちの具材はスーパーで買い揃えることもできますし、ケーキも近所のケーキ屋さんで予約すればいい。
いや、そもそもおせちやクリスマスケーキが必要なのかという点についても疑問があります。おせちはすでに、その役割が自体にそぐわないものになっています。お正月にはおせちを食べるものという考え方が、時代の流れに合っていません。
おせちを自分で作るというのであれば、わからなくはありません。古き時代から繋いできたものですので、それを次の世代に繋ぐことに意義を感じる人もいるはずです。でも、それを通販で買うというやり方は、どうもしっくりきません。
ベルーナにしてもコンビニにしても、売り上げになるから商品開発をするわけですが、それにより物流に与える負荷がどれほど大きいかを考えずに販売するから、このようなことが起きてしまうわけです。5年以内に大手コンビニのうち1社は、SDGsの観点からも季節商品の販売を止めるかもしれません。
物流は無限に荷物を運べるわけではありません。自分たちの利益だけを追求すると確実に痛い目を見ます。もう自社利益の最大化だけを追求する時代ではありません。とはいえ、しばらくは改善されないでしょうから、自己防衛としてできるのは「通販で季節商品を買わない」くらいでしょうか。