東京マラソンの値上げ:ランナーにとってのフルマラソン参加費2万円の壁

東京マラソンが、2026年大会から参加費を19,800円にすると公表しました。かなり衝撃的な値上げではありますが、ここから考えさせられることがいくつもあります。まずは、物価の上昇がいよいよマラソン大会にも影響が出始めたということ。

マラソン大会の多くはコロナ禍以降に値上げをしていますが、勝手に物価高の影響だと思い込んでいたのですが、ここまでの値上げはさまざまな要因が影響したものであり、2024年から始まった物価高に関係なく値上がりしていたわけです。

そこにきて、2024年以降の物価上昇。困ったことにどこまで上昇するのか先は見えず、ただ自然の摂理を考えれば、日本の物価はアメリカの物価に近づくことになります。もちろん円安が解消されることも含めての話ですが、1度上がった物価は基本的に下がらないので、日本の物価はここからさらに30〜45%くらい上がるはずです。


今回の東京マラソンの値上げは、まさにそこに合わせてのことで、おそらく2030年までは、余程のことがない限り19,800円を維持するはずです。一気に値上げしたのは、毎年のように値上げしていくという印象を嫌ったのかもしれません。今なら参加者の同意も得やすいわけですし。

そして気になるのは2万円を意識してきたということ。おそらく、いずれ参加費が2万円を超える日が来るのでしょう。ただ、いま2万円を超えると、一気にランナーが離れていくと判断したのでしょう。それを回避するために、ギリギリ1万円台となる19,800円に設定したのかもしれません、

ちなみに19,800円というのは税込になるので、本当のマラソン参加費は18,000円ということになります。18,000円に消費税として1,800円が付いて19,800円になることを意味します。ただ、ここで大事なのは「2万」という数字を回避したということ。

19,800円も20,000円も金額的な差は僅かですが、参加費として提示するときには、印象が大きく変わってきます。19,800円なら参加しようというランナーも、2万円になった途端に躊躇する。そこには目に見えないけど明確な壁が存在します。

もちろん、そんな壁はいずれなくなります。おそらく横浜マラソンが2.2万円とかを提示してくるはずです。横浜マラソンは受益者負担を抱えているので、物価が上がるなら参加費も上がって当然というスタンスですので。他の大会だって、どこかが壁を越えれば追従してきます。

これは時代の流れなので仕方のないことなのですが、私の場合は流石にマラソン大会に2万円は出せません。42.195km走るのに2万円も払うことに合理性を見つけられませんし、フルマラソンの参加費が家賃と同じというのは流石にどうかしています(どうかしているのは鶴巻温泉の家賃ですが)。


フルマラソン2万円時代は必ずやってきますが、確実にランナーは離れていきます。東京マラソンが定員割れすることはないかと思いますが、それでも倍率は間違いなく下がります。それはスポンサー離れを引き起こしますし、マラソン大会によっては撤退を決意するかもしれません。

本当はマラソン大会の参加費が2万円が高いと思わないくらい、日本人全体の収入アップがあるのが理想なのですが、仮に収入が上がっても物価の感覚がアップデートされるのには時間がかかります。もっともマラソン大会なんて走れる人が走ればいいだけなんですけどね。

得られるものが参加費に見合わないと思うなら、静かに離れればいい。未練たらしく、ブログに「高い」なんて書くのはみっともないこと。だから金額に関してはしばらく書かないつもりですが、だからこそ書いておきます。「マラソン大会の参加費が2万円は高い」と。

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