
金曜日に初めてのアルバイト先に行ってきました。パソコンの部品を回収する仕事ということで、勝手に建物内の作業と思い込んでいましたが、金属回収業者で青空の下での仕事。コンプライアンスに守られての仕事の気分でしたが、どうやらガテン系だったようです。
以前ほどではなくなりましたが、ガテン系の仕事には高圧的な態度で指示する人もまだいて、それ自体はどうでもいいのですが、そのパターンだと仕事の指示が曖昧になりがち。そうなると嫌だなと思っていたら、完全ホワイトでむしろ気持ちよく働けた1日になりました。
それもこれも、半年以上アルバイトをしてきた結果なのですが、ちょっと信じられないくらい仕事ぶりを高く評価してもらえました。半日もしないうちに「しげさん」と呼ばれ、社員の方も気さくに話しかけてくれる。それはもう北方謙三さんの小説の世界のようで、実力で信頼を得たわけです。
アルバイトをしていると、本当に小説の中の人物ではないかと思うような人に会ったり、経験したりできます。作業中はかなりイライラして厳しかったのに、作業が終わった途端に竹を割ったような明るさで面倒見が良くなるような人も、働くことが本当に嫌いな人もいて、そういう出会いが、人生に深みを与えてくれています。
世の中に楽して稼ぎたいという人もいますが、仕事が嫌いではないのにギャンブルで稼ぎたいという人もいます。そういう人たちは、お金を稼ぐというよりは、勝ったとき、当たったときの刺激を求めているのでしょう。収益だけを考えれば、ギャンブルほど効率の悪いものはありません。
いま話題になっているオンラインカジノもそうです。オンラインカジノが違法か合法かという話はさておき、手を出してしまう人は刺激に飢えているのでしょう。芸人なんて刺激の塊のような人生に思えますが、だからこそ今以上の刺激を求めてしまう。
日常にM-1のヒリつくような刺激を求める。漫才やコントのコンテストの本番は、これ以上ない刺激なのでしょう。ただ、そこに向かうまでの積み重ねはとても地味で、ひたすら積み重ねる退屈な日々だったりします(そういう意味ではお笑いもマラソンもよく似ています)。
だから、昔の芸人はパチンコや競艇などに手を出したわけです。退屈な時間を刺激的な時間に変えるために。そこに登場したのが、オンラインカジノです。オンラインカジノは海外に拠点があるサービスに日本国内からアクセスし、本物のカジノのように遊ぶことがです。
日本国内では原則としてカジノは違法です。でも、サーバーは海外にあるから、オンラインカジノはグレーゾーンと言われ続けてきました。その結果、若者がハマっていくわけです。24時間いつでも刺激的な時間を過ごせるわけで、おそらくコロナ期間に利用者が大きく増えたのでしょう。
さすがに目に余るというか、これ以上は放置できないということで「オンラインカジノは違法」を広める意味も込めて、芸人をターゲットにしたのでしょう。なぜぱちパチンコがよくてオンラインカジノが許容されないか。答えはシンプルで、パチンコは日本国内でお金が回り、オンラインカジノは海外にお金が流出するから。
違法か合法かなんて、実際のところどうでもいいことで、むしろ法律は国の経営をスムーズにするために存在します。パチンコは有益であり、オンラインカジノは無益。どちらを叩くべきかは明確です。もっともそこに利権や贈賄なども絡むのですが、それはまた別問題。
では刺激を求めている私はオンラインカジノをしないのか。もちろん手を出すことはありません。なぜなら、私は日常がギャンブルよりも刺激的だから。ギャンブルもゲームもエンタメも、日々の生活よりも退屈。お金を払って退屈を手に入れる人間に、私はこれまで会ったことがありません。
