マイカップ:東京マラソンでの紙コップ不足・水不足対策を考える

マラソン大会のあるあるのひとつが、急激に気温が上がったときに、エイドステーションの水や紙コップが足りなくなるというトラブルです。同じ20℃でも秋のマラソン大会なら水や紙コップが足りなくなることは少ないのですが、気温の変化が大きい春の大会でよく起きます。

紙コップくらい多めに用意しておけばいいじゃないかと思うかもしれませんが、余ってしまったらそれはそれで無駄になります。マラソン大会は予算が潤沢にあるわけではなく、余るほど用意するわけにはいきません。だから過去の実績などで数を決めるわけですが、気温が上がると想定外に紙コップが消費されていきます。

ただ、そのようなトラブルが東京マラソンで起きるとは考えていませんでした。東京マラソンはリスク管理を徹底しており、紙コップも前日の会議で追加されることが決まっていたそうで、しっかりと対策を打っていました。それでも足りなくなったわけです。


おそらく、紙コップが足りなくなった理由は気温が上がりすぎただけでなく、外国人ランナーが多かったことも影響している可能性があります。日本人ランナーは「耐える」タイプのランナーが多い傾向にあり、喉が渇いても水分補給をしない人も少なくありません。

50歳以上の世代は、運動中に水分を摂るなと教えられてきた人が多いのも影響しています。このため、日本人ランナーの傾向で紙コップを用意すると、外国人ランナーが約47%という状況に、突然の暑さが加わって足りなくなるという事態が起きてしまったと私は考察しています。

もっとも、ここで原因を追求することではなく、対策を考えるということです。もちろん、運営側としては対策を考えるはずですし、東京マラソンなので同じミスは犯さないはずです。それとは別に個人としては対策をするという文化を根付かせたほうがいいのかなと。

別に対策といっても難しいことをする必要はありません。湘南国際マラソンのようにマイカップを持って走ればいいだけ。シリコン製のマイカップならポケットに入れておいても邪魔になりませんし、何度も使えるので地球環境にもやさしいといったメリットもあります。

大会側もマイカップに対応してくれるのが理想です。マイカップが湘南国際マラソンの専売特許みたいになっていますが、どの大会も取り入れればいいんです。通常のエイドの近くに自分で給水できるタンクを用意しておく。10年後のマラソン大会ではそれが標準になっている可能性すらあります。

そして参加賞もTシャツではなくマイカップにすることで、他の大会との差別化もできます。そうやって「マイカップを持って走る」という意識が定着し、ランナーの文化になれば、少なくとも紙コップが足りないトラブルはなくなりますし、ゴミも大幅に削減できます。


東京マラソンの紙コップは回収してからリサイクルし、トイレットペーパーにするそうですが、トイレットペーパーにするのだって機械を使わなくてはできません。機械は電気で動くわけで、その電気を作り出すために地球に負担をかけている。それなら、ゴミは出ないのが理想です。

大会側が乗ってこなくても、個人としては用意できることなので、マイカップの文化が根付いてもらいたいのですが、困ったことにシリアスランナーやサブ4くらいの影響力が強い層は、エイドで紙コップが足りなくなるような経験をしないわけです。だから自分のこととして考えられない。

その結果、マイカップがなかなか浸透していがないのだと私は考えています。でも、どんなランナーもいずれ走力が落ちていき、水や紙コップが足りない経験をする可能性はあります。みんなでマイカップを広めていきませんか?使う、使わないは関係なくマラソンを走るときは常備しておく。それで救われる人もいるわけですから。

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