あちら側の人:相容れない人たちについて

私は八方美人であることを自負しており、基本的にはどこにいても敵を作らないことを心掛けています。ただ、付き合いが長い人はよく知っているように、ときどき怒りをコントロールできなくなることもあります。エスコンフィールドで働いていたときもそうですが、不誠実な対応をされることをものすごく嫌う傾向にあります。

それは若い頃から変わらないスタンスで、アルプス技研を辞めることになったのも、上司に誠実さに欠ける対応をされたことが関係しています。そのようなことがあると、私は警告のイエローカードを出すこともなく、躊躇なく「退場」のレッドカードを突きつけます。

ただ、年齢を重ねてきたことで経験値も溜まり、最近は穏やかに過ごしていました。物流倉庫や食品会社では「いつもニコニコしている」と言われることも多く、アルバイトをはじめたことで自分をコントロールできるようになってきたつもりでいました。


でも人間の本性はそう簡単には変わらないようです。先日、久しぶりに大きな怒りを抱えてしまいました。とある広告代理店から都内でのイベント取材の依頼があって会場に向かったら、イベントが予定していたよりも早く始まっていました。入口で関係者にメディアであることを告げると「少し待っていてください」と言われたまま20分放置。

放置されたまま取材対象となるコンテンツも始まってしまったので、私は帰宅することにしました。大人ならもう一度声を掛ければよかったのでしょうが、そこまでして取材する義理はありません。そこで取材をしたところで、まともな記事をかける気もしないので、自分の対応を後悔してもいません。

そのイベントについて詳細は書きませんが、実は取材を受けた段階ですでに嫌な予感はありました。私にはどうしても相容れない人がこの世界に数人いて、今回のイベントのメインとなる人がまさにその人だったわけです。全体取材だし、直接的に関わるわけでないからいいかなと判断したのが失敗でした。

私が相容れないとする人には共通する傾向があります。「自己主張が強く、自分が楽しいと思うことを大切にする」これが共通する点で、まるで私自身のことのようですが、1つだけ彼らと私で大きく違う点があります。それが「自分が主役」という気持ちがあるかどうか。

私が苦手とする人たちは自分が主役であり、すべてを自分の思い通りにしようとします。その過程で全体が見えなくなって不誠実な行動を引き起こします。それくらいの自己主張があるから、それなりの地位に立っているわけですが、私の本能はそれを拒絶します。

ちなみに相容れないだけのことで、別にその人たちに対する嫌悪感があるわけではありません。ただ相性が悪く、今回のようなことが起こりやすいというだけのことです。世の中には彼らのことを尊敬し、崇めているような人も大勢いるので、相性が良い人もいるわけです。


ただ交わることがない存在という意味で、相容れない人たちのことを「あちら側の人」だと思っています。本来は交わることがないはずなのに、間違って近づくから問題が起きる。私が伊勢神宮や熱田神宮に入ろうとすると気持ち悪くなるのと同じことです。

とりあえず、今回は「あちら側の人には近づいてはいけない」という教訓を得ることができました。これまで曖昧にしてきた部分ですが、今回の件ではっきりしました。君子危うきに近寄らず。そういう意味でも会場に残らなかったのは正しい判断だったはずです。さらに不快な思いをせずに済みましたので。

ただ広告代理店の方にしてみれば、私は会場に行っていないことになっているでしょうから、私こそ不誠実な対応をした人という印象になっているはずです。それには不満がありますが、好かれる必要はありませんし、その人が取材依頼をしてくることもなくなるでしょうから、トータルではよい方向に向かったことにしておきます。

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