菊池 寛:8月までに小説を書き終える

自分の知識の幅があまりにも狭いことに、嫌気がさすことがときどきあります。マラソン関係で初めての場所に旅に出ることが多く、その度に落ち込むわけですが、おそらくそれは新聞を読まなくなったり、ニュースを見なくなったことが影響しているのでしょう。

インターネット時代は、自分の気になる情報だけを集めることになります。Googleだってヤフーだって、個人の趣味趣向に合わせて情報を提供してきます。私はランニングとサッカー、坂道グループばかりニュースで追いかけるので、必然的に入ってくるニュースがそこに絞られます。

新聞は自分の好みにはアレンジされないので、幅広く情報がインプットされます。だから、ひと世代前の人たちは、何でもよく知っているというのが私の勝手なイメージです。一般常識の幅が上の世代と私の世代ではまったく違い、その下の世代はさらに狭まります。


だからこそ旅に出て、少しでも自分のアンテナに引っかかったものに対して積極的にアプローチするようにしています。そして今回の高松遠征では「菊池寛」に出会ったわけです。菊池寛を知らなかったことを公表するのは物書きとして恥ずかしいことなのですが。

でも、同世代だと知らない方もいるかと思うので簡単にお伝えしておきましょう。昨日学んだばかりのことですが。菊池寛は高松出身の作家で、芥川賞と直木賞を創設した、いわば近代日本文学の土壌を作った偉人。知らなかったわけですよ。そんな著名人のことを。

ちょうど、前日のブログにて「めぐり合わせ」について書いたばかりで、それすらもう運命としか思えない偶然により、私は菊池寛に引き寄せられました。高松で私が目指したのは高松市歴史資料館でした。どの土地に行っても、まず学ぶのはその土地の歴史です。

自分の足で歩き、歴史を学ぶことで、その土地が自分とゆっくり混ざり合っていく。そこで考えさせられることもありますし、新しい発見もあります。今回も歴史を学ぶために高松市歴史資料館へ行ったわけですが、その下のフロアが菊池寛記念館でした。

1階が図書館だったこともあり、高松出身の文学者くらいに思ってスルーしかけたのですが、高松市歴史資料館のビデオコーナーにも菊池寛を紹介しているものがあり、それを観て自分の間違いに気付かされました。私は階段を走りきにたのではなく、菊池寛に会いにきたのだと。

今年のうちに小説を書くと決めていましたが、いろいろやることがあって、先送りしている作業もありました。まずは目の前のやるべきことを優先していましたが、「いま優先すべきは小説だ」と諭された気がします。そして、そうなることはあらかじめ決まっていたのかもしれませんが。


8月までに新しいことを始めると決めていましたが朝令暮改。私がこれから8月までにやるべきことは、小説を書き終えること。まさに菊池寛のように(彼は新聞社勤務)、昼間に働きながら小説を書くことになります。だから夕方19時以降の時間はすべて作品づくりに充てるとします。

それによりさまざまなところで歪みが生まれますが、気にしないことにします。ここまでお膳立てされて書き始めないなんて考えられません。高松滞在中にテーマに対する下調べをしたところ、次々と自分の中の懸念が消えていき、まさに導かれているようにプロットが固まりつつあります。

人生は自分で切り拓いていくもの。その考えは今でも変わりません。ただ、まだ何も成し遂げていない私が言うことではありませんが、抗うことのできない流れというものも確実にあります。私が小説を書き始めるのは、まさにその流れによるもの。改めて言うことでもありませんが「人生は面白い」。

著:菊池寛
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