
愛媛マラソンで右胸の痛みが発症し、負荷の高い動きをしたときに空気をきちんと吸えていない状態になり、物理的にも比喩的にも手も足も出なかったステアクライミング大阪大会。あれから1ヶ月が経過しました。
自分なりに痛みの原因を探り、違和感が残るももも右胸の痛みを消すことができたものの、愛媛マラソン後の1ヶ月はほとんどトレーニングせず。体重もおそらくもとに戻ったので、今回のステアクライミング高松大会は、あまり期待せずに挑みました。
期待しないどころか、3日前に調子に乗ってスピードを出したら、お尻が強烈な筋肉痛になってしまうという凡ミス。それに加えて、前日に18km以上(3万歩)歩いて、さらには楽しくなってお酒を飲み過ぎる。もう、これ以上ないくらい酷いコンディションでした。
ただ、胸が痛くない。これだけが唯一のアドバンテージ。だから、いつもは1段ずつ上っているのに、今回は1段飛ばしでスタート。キツくなる前に1段ずつに戻して、というのが今回の作戦。大体上手くいった感じです。15階くらいで苦しくなり始めましたが、胸の痛みに比べれば大したことはありません。
もしかしたら苦しさも集中力を高めれば薄れるかもと思い、20階からゴールの31階までは意図的に視界を狭めて思考も停止。ただ上ることだけに集中。いつもなら、必ず抜かれることになるのに、今回は抜かれないどころか、先行する4人を追い抜けました。
タイムは5分59秒。もう少し早いかなと思いましたが、それでも79人中23位なので自分としては上出来です。いつもは大抵、全体の真ん中くらいの順位に位置するので。ただ、ゴールした後に倒れ込んで、数秒間動けなくなったのは初めてかもしれません。
限界を超えたところで耐え続ける。きっとそこが死域というやつで、そのまま続けていれば気を失って倒れていたのでしょう。運良くそうなる前にゴールに到着したから助かりましたが、息遣いも荒く、まるで獣にでもなったかのような自分がそこにいました。
ただ、急に死域に入れたわけではありません。3日前に調子に乗って走ったときから、いつもと違う感じはあり、実際にお尻の筋肉を痛めたということは、限界を超えた領域で走り続けていたということで、愛媛マラソンを終えて何かを掴んだのかもしれません。
だからといって、またサブ3を狙うなんてことにはならず、むしろ短い距離で自分を追い込み、自分の意思で死域に入れるようになりたいところです。そうなることで、また違った角度でランニングを楽しめるような気がしています。
速さの追求をやめた途端、何かを掴んでしまう皮肉。人生というのはなかなか思い通りにはいかないものです。でも、これこそ私らしさ。どれだけ努力したところで、狙ったところでは花を咲かせることはできないのが私。でも、必ず別のどこかで小さく咲きます。
大きく咲かないのも私らしいところ。でも、やっと階段レースがなんなのかを掴めた気がします。10年やってようやく自分のスタイルを構築できたので、ここからはもっと成績も安定してくるはずです。そうなれば、新しいチャレンジもできる余裕が生まれます。
ただ、今回以上の苦しみも伴うとなると、少し憂鬱な気持ちになります。肺と喉が焼けてしまうのではないかと思うほどの痛みがあり、正直なところ2度と体験したくありません。でも、数日すればまた走りたくなるんでしょう。やれやれです。