引き出す力:彩湖リレーマラソンで確信したこと

高松の階段を駆け上がった翌日、彩湖リレーマラソンに出場するために浮間舟渡で待ち合わせ。その日は板橋Cityマラソンも開催されるということで、浮間舟渡の駅にはたくさんのランナーが。そして、さいたまマラソンも同日開催で車両の中はランナーが大半。

少し前までマラソン大会を再開してもいいものかなんて議論をしていたのが嘘のようで、もうランナーの日常にマラソン大会があたり前のようにあります。ただ、以前とまったく同じというわけではなく、大会のあり方などもゆっくりと変わりつつあります。

マラソン大会は定員割れが珍しくなくなり、それぞれが自分たちの色を出そうと工夫していて、ランナーに注目される存在になるために試行錯誤しています。その過程で新しい取り組みが裏目に出ることもありますが、全体としてはいい方向に向いている気がします。


私が参加した彩湖リレーマラソン2025も、ゲストで呼ばれたアイドルグループ「マリーメトロノーム」のメンバーが大会を盛り上げるために奮闘していて、いろいろ学ぶところがありました。あんなにも頑張っている姿を見ると有名になってもらいたいという気持ちも湧いてきますが、きっと寝て起きたら忘れています。

それよりも大変だったのは、彩湖リレーマラソン2025は雨の中での開催となったこと。しかもかなり冷たい雨と強い北風。私はランレコードで出展しているのでテントで過ごすことができましたが、そうでない場合には傘をさして待機するしかなく。

正直なところ、そんなコンディションでレースを走るのは憂鬱でした。何よりも1日前に階段を全力で駆け上がっているわけです。どう考えたってベストな走りができるわけがありません。いい走りができないならただ寒いだけになりそうでして。

ただ、ほんの少しだけ期待している自分もいました。愛媛マラソンが終わってから、ステアクライミングチャレンジ高松大会までの間で、自分が覚醒したのではないかという期待があり、だとしたらコンディションはどうであれ、いい走りができるはずです。

覚醒といっても能力が上がるわけではなく、自分のポテンシャルを100%引き出せるようになっているという話。能力がアップしているわけではないので、備わっている能力以上のことはできません。覚醒してもサブ3で走れるわけではありません。

でも、自分のすべてを出し切れる。高松シンボルタワーの階段では、階段ではじめて最後まで足を動かし続けることができました。オーバーペースにならないように抑えつつも、溜め込たエネルギーも無駄にせず使い切る。ただそれは、数日前の追い込むトレーニングでも予兆がありました。


タイムを追うのをやめたとたんに、特殊能力が発動したことに戸惑っていますが、私はきっといま、自分のポテンシャルを限りなく100%に近いところまで引き出せる力を身に着けています。それを彩湖リレーマラソンで確認したかったので、雨で憂鬱になりながらもワクワクしていたわけです。

実際に走しりだしてみたら、今回も自分をきちんとコントロールできていることに気づきました。強い向かい風に対して、必要以上にピッチを上げたりせずにしっかり耐える。下り基調の道では飛ばしすぎない。どこかで苦しくなるのではないかと不安になりながらも1歩ずつ確実に進んでいく。

そしてペースを維持したままフィニッシュ。タイムは5kmで20分15秒と褒められたものではありませんが、前日に階段を走っているので妥当なところ。何よりも最後まで走りきり、それでいて翌朝にオールアウトしたときにしか得られない筋肉痛と疲労感。走るコツをしっかり掴んだことを確信しました。

著:三津家 貴也
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