低体温症:冷たい雨が降るマラソン大会で感じたこと

先日の日曜日、冷たい雨が降る関東地方でいくつものマラソン大会が開催されました。最高気温は10℃以下で、スタート時の気温はさらに低く、板橋Cityマラソンでは低体温症の危険があるので注意するようにアナウンスしていました。

そんなアナウンスをしなくても、ランナーであればそのリスクは理解していると言いたいところですが、Xでは低体温症のランナーが続出しているとの報告がいくつも。投稿は氷山の一角ですから、かなりの人数が寒さと冷たさにやられていたようです。

ランナーは低体温症に対して、少し甘く考えすぎている傾向にあります。自分だけは大丈夫という根拠のない自信。もしくは体が震える程度のことだと思っています。でも低体温症は後遺症が出たり、最悪の場合は命の危険もあります。そしてそれは誰にでも起こります。


トップレベルのランナーでも低体温症で棄権することもありますし、過去にはランナーが救急搬送されたこともあります。だから、そのような環境下ではスタートラインに立たないというのが賢明な判断です。でも1万円近い参加費を捨てることはできず出走する。

その気持ちはもちろんわかります。私だって寒いという理由だけでDNSすることはありません。ただ、レースでタイムを求めるのはやめます。Xにも投稿しましたが、「濡れないこと」「止まらないこと」だけを考えて準備して走り出します。

必須なのはレインコート。ゴミ袋で作った簡易ポンチョでも構いません。体だけではなくウェアを濡らさないことが大事。あとは和紙で作られたソックスを選ぶこと。和紙ソックスは水捌けがよく、雨に濡れても足をしっかりと守ってくれます。

他にも雨の強さによってカイロを持つなど追加で対応しますが、大事なのは備えるということ。備えているだけで低体温症から体を守ることはできます。それとトレードオフで走りやすさは失われますが、命より大切なものはありません。

だから理想は出走しないことなのですが、毎週レースに出るようなブルジョワでもない限りそれはできません。こういうときは割り切るしかありません。どうしても記録を狙いたいなら、想定ペースで走れなくなったところでリタイアすることです。

雨のレースは意外とタイムを狙いやすく、上手く走れば自己ベスト更新も可能です。そのことが余計に低体温症を引き起こすわけですが、自己ベスト更新を狙うということは低体温症を受け入れるということで、さらには命を差し出すことを意味します。


それだけの価値があるなら私もチャレンジします。たとえば前回の愛媛マラソンで低体温症のリスクがあったとしても、サブ3を狙いにいったはずです。それだけの想いを持って1年間トレーニングを積んだので。でも、他の大会なら違う選択をしたはずです。

大事なのは、すべてを取りにいこうとしないこと。マラソンはとてもリスクの高いスポーツです。42.195kmを走るだけでもとんでもないダメージが残ります。そこに低体温症が加わったらどうなるかをよく考えて、自分なりのスタンスで何かを諦める(もしくは受け入れる)。

そういう考え方をRUNNING STREET 365などで伝えていかなくてはいけないということを強く感じています。もう春は近いですが、来年の冬に向けて早めに記事を作っておくとします。寒さで倒れるランナーが1人でも少なくなるように。

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