
大学院の途中から一人暮らしを始めたときに、まず取り組んだのが「自炊」でした。取り組んだというよりも、ハマったと表現するほうが適切かもしれません。実家暮らしの頃はインスタントラーメンすら年1回作るかどうかでしたが、一人暮らしでは基本的に自炊でした。
コンビニでアルバイトをしていたのもあって、毎日コンビニ弁当を食べることに抵抗があったのも影響しているのですが、自分で作るとなんでも美味しく感じるというのが大きかったような気がします。当時から食いしん坊な一面があり「美味しい」にはかなりこだわっていました。
いまと違ってインターネットにたくさんのレシピが公開されていたわけでないので、レシピ本を購入していたのですが、本屋さんでレシピ本のコーナーに行くのが毎週の楽しみになり、最初に買った小さな冷蔵庫では不便に感じるようになり、比較的早い段階で大きめの冷蔵庫に買い替えた記憶があります。
その冷蔵庫をいまでも使っているのですが、流石にそろそろ寿命のような気がします。それはともかく、自炊することが楽しく、年に数回、自宅に友人を招いて料理を振る舞ったりもしていました。そしてたどり着いたのが「粗食のすすめ」でした。
季節の野菜を中心としたレシピが掲載されていて、短い期間ですが、自宅では肉を食べない生活をしていたこともあります。それくらい料理にハマっていたので、伊豆高原の宿で朝ごはんを出すのもそれほど困ることはなく、むしろより良いものを出したいという感覚でメニュー開発を行っていました。
それくらい、私にとって調理は身近なものであり、当たり前のように生活の中にあるものなのですが、最近は同じものばかりを食べるルーティーンになっていて、朝は食パンとサラダ、昼か夜は玄米ごはんと納豆、味噌汁にスーパーのお惣菜を少し加える程度。
それで何も困ってなかったのですが、先日空き時間にふと本屋に立ち寄ったときに、レシピ本のコーナーでページをめくっていたら、「料理しなきゃ」のモードになってしまいました。部屋の掃除を毎日するようになり、生活が安定してきたことで、新しい意識が芽生えてきたのかもしれません。
食事は生活の基本であり、自分で作れるというのはとても大事なこと。それも季節の野菜をとりいれて、体がいま必要としているものを食べる習慣をつけることで、ここ最近の体調不良などを改善できるような気がして。いや、間違いなくそこは改善すべき点のひとつです。
いまは食材さえ決まれば、インターネットで簡単にレシピを見つけられる時代です。作れないものは基本的に何もないので、保存できるようなものをいくつか作っておくことから始めようかと。春なので好物の菜の花がスーパーに並んでいるでしょうし。
健康のためというよりは、本能が「いま自炊を再開すべき」と訴えている。自分が思っている以上に、体の内側はボロボロなのかもしれません。ジャンキーなものを求めておらず、とにかく優しいものを体が欲しがっています。そうなると必然的に自炊。
幸い、今は仕事のバランスもよく、アルバイトばかりということもありません。ご飯を炊く時間的な余裕もあるので、自炊を再開させるのにちょうどいいタイミングです。もっとも、たくさん食べるタイプではないので、簡単なものしか作りませんが。
とりあえず1か月ほど続けてみて、上手く習慣化するとしましょう。万里の長城マラソンから戻ってきたら「やっぱり無理」となってしまいそうですが、料理をするのは好きなので今度もそれなりに続くはずです。
