
森脇健児さんが私の青春。そう言っても過言ではないほど、高校時代はKBS京都の森脇健児さんのラジオ番組「青春ベジタブル」を毎週楽しみにしていました。私がいま関東にいるのも、高校3年生くらいで森脇健児さんが東京の仕事でラジオを休みがちになったことも影響しています。
私が関東の大学に進学すると決めたのはサッカーをするためですが、大阪と東京の間にあった壁を取り除いてくれたのが森脇健児さんであり、「青春ベジタブル」でした。当時は大阪から東京に進学すると言うと「裏切り者」呼ばわりされてもおかしくない時代でした。
関東に来てからはFM横浜を聴くことが多かったのですが、飽きっぽい性格もあって同じラジオを続けて聴くことがほとんどありません。たまにオードリーのオールナイトニッポンを聴くと、やっぱり面白いなと思いますが、すぐに聴かなくなってしまいます。
そんな私が数年聴き続けているラジオ番組がFM-FUJIの「タイムちゃん」です。タイムマシーン3号と乃木坂46の矢久保美緒さんのラジオ番組で、聴き始めたのは乃木坂46の2期生である山崎怜奈さんが、卒業前にゲストで呼ばれたときでした。
そのときの矢久保さんはアシスタントでありながら、ほとんど発言をしていなかったのが気になって聴き始めました。そんな矢久保さんが、ここ数ヶ月は憑き物が落ちたかのような軽快なトークでタイムマシーン3号の2人と対等にやりあっているのを聴いて、アイドルの変化というのは面白いなと思って久しぶりに毎週の楽しみになっています。
このブログでも何度も書いていますが、私は乃木坂46などの坂道グループが好きで、楽曲を聴いて走ることもあります。ただ、最近は乃木坂46という存在にもやや飽きてきた感があったのですが、「タイムちゃん」が鎹となっているような気がします。
そんなところに、YouTubeのTHE FIRST TAKEで乃木坂46の5期生、井上和さんと中西アルノさんが歌っている動画がおすすめとして上がってきました。2人は圧倒的な歌唱力が評価されているメンバーですが、中西さんは加入当初にいろいろあり、井上さんが推されて乃木坂46の新しい顔となっています。
ある意味でライバルのような関係にある2人が、最新のシングルでダブルセンターになったことで、THE FIRST TAKEの企画が上がったのでしょう。井上さんも確かに歌唱力が高いのですが、ただ中西さんは存在が強すぎました。歌が上手な女性歌手を歌姫と表現しますが、彼女は歌そのものであり、あえて表現するなら「歌の精霊」。
あまりにも圧倒的すぎて、新しい顔であるはずの井上さんが飲み込まれていて、こんな屈辱はないのではと思ってしまうほど残酷さがそこにありました。ただ、興味深かったのは終盤に向かうにつれて、残酷さに抗うように井上さんが食い下がってきたことです。それはもう希望でしかなく、年甲斐もなく胸が締め付けられそうに。
坂道グループの魅力は「物語」にあると思っているのですが、THE FIRST TAKEの動画には2人の物語が凝縮されていて、乃木坂46の新しい時代を感じるものでした。2人はまったく違うキャラクターなのに、どちらも乃木坂46という物語の主人公。
それは私の創作意欲を唆るものであり、大きな刺激になりました。事実は小説よりも奇なりと言いますが、この2人の関係をベースとした物語を自分で書き上げてみたいという欲が高まっています。ただ、ひとつの小説のテーマにするのではなく、これから手掛けるすべての物語に共通する軸にできそうな気もします。
自分にはないものを持っている。そういう人たちから学ぶことは無限にあります。学んだからにはどこかで還元していかなければただの自己満足。それでも悪くはないのですが、アウトプットしなければ、この感情の昂りを抑えられそうにないので、手掛けている作品に活かしていくとします。
