
1人暮らしを2DKの比較的広いアパートでスタートしたこともあり、20代の私の部屋は多くなモノで埋め尽くされていました。しかも本が好きだったので、寝室にしていた和室の壁面は本棚で埋め尽くされているような状態でした。
そこから何度かの引越しを経て、1Kの部屋でも暮らせる荷物量に落ち着きましたが、それでも捨てるのが苦手なことに変わりはありません。ちょうど10年前に、ある映画を観て、持ち物を減らそうという気持ちになり始めたのが「マイに1つ手放す生活」。
ミニマリストへの憧れなどもあって、最初は減っていく過程を楽しんでいましたが、途中から手放すには惜しいものも手放さなくてはいけなくなっていきます。そのあたりから自分の思考が変わっていき、本当に必要なものが見えてくるようになったのを覚えています。
そして最終的には車も手放し、正社員という立場すら手放してしまいました。自分の心のあり方が変わるので、人生そのものがダイナミックに変化するというのが「1日ひとつ手放す生活」の面白いところです。そして今回もいよいよその段階に入ってきました。
ここまでは本当に必要ないものを手放してきました。それらの多くは、この10年間で手に入れたもので、ここにきて引越ししてきた10年前の状態に近づいてきたともいえます。そして、10年前に手元に残したものも手放していく段階になってきたというわけです。
それは大変な作業ではありますが、過去に囚われない生き方をするには必要なことであり、避けては通れない道だと思っています。過去との決別というと大袈裟かもしれませんが、現在に繋がりのない過去はどこかで手放さないと、新しいものを取り入れられなくなります。
とくに私はキャパシティが大きいタイプの人間ではないので、新しいものを始めるには物理的にも精神的にも余裕が必要になります。ただ、過去というのは思い出補正がかかるので、どうしても手放すことを躊躇してしまいます。そこでどう断ち切れるか。
普通に生活しているだけですと、それを断ち切らないまま、知らないうちに大荷物を抱えてしまいます。でも、こうやって1日ひとつ手放す生活をオープンにして実施することで、後に引けなくなるわけです。そして半強制的に余裕が生まれるわけです。
過去の思い出や、かつて好きだったものと決別する。それは痛みを伴うこともあるので、他の人に勧めたりはしません。でも、すべての過去と別れるわけでもありません。かつて好きで、今でも好きなものは残っていきます。そしてより多くの想いを重ねることになります。
大切なものだけ残す。そして手放したことでできた余白に新しいものを入れていく。自分に合うものなら残し、合わなければ手放していく。そうやってパズルのように、自分という人間を組み立てていくわけです。だから合わないピースは早めに手放す。
基本的に私は飽きっぽい性格で、しかも新しいものが好き。どんどん新しい体験を増やしていきたい。そのために、ここからは大変な思いをしてでも、丁寧に取捨選択していくことにします。きっとその先には私が想像していなかったような未来が待っていますから。
もっとも未来に期待しているわけではなく、ただ居心地のいい空間を作り、快適な部屋で暮らしたいだけ。そのために、ここからは本腰を入れて手放していくとしましょう。みんなが「それはいるでしょう」と思うようなものも手放していくつもりです。
