
万里の長城マラソンの翌日は無料の北京ツアーを開催しているのですが、ようやく定番コースのようなものができ、参加者に喜んでもらえるようなものになりつつあります。ところが今年は5月1日から中国がホリデーシーズンになるらしく、北京はどこへ行っても人だらけ。
観光しているというよりは、人を見に行ってるようなところもあり、レース翌日が平日ではないときのプランも必要になることを痛感。北京についてそれなりに知っているようで、実はまだまだ知らないのだということを思い知らされました。
とはいえ、どこに行っても人だらけなら、ガイドする場所を変えるよりは、定番コースの中でも穴場スポットを紹介したほうがいいのかもしれません。胡同を歩くのでもいいですし、美味しいものを食べることに特化するのでもいいかもしれません。
万里の長城マラソン参加者を案内していて、自分がいかに北京という街に慣れすぎているのかを感じることが多々ありました。今更かもしれませんが、初めての人が感動しているのを見ると、自分がいかに擦れてしまったのかがわかります。
万里の長城の風景に心を踊らせることはなく、北京の美味しいものを食べても感動するようなことはなくなっています。自分で勝手にハードルを上げているわけで、それはそれで不幸なことのように思えてきました。ただ、もう過去の自分に戻ることはできません。
新鮮な驚きや喜びを得たいなら、北京や台北以外のどこかに行く必要があります。でも、正直なところそれ以外の場所に行く時間があるなら、もっと北京や台北にいる時間を増やしたいところ。もっと行きたい国はたくさんありますが、優先順位はこの2つにあります。
いずれ「北京・台北・鶴巻温泉」というタイトルでエッセイを出したいと考えているくらい、この2つは私にとって特別な場所になります。実家のある松山よりも訪れている場所で、私の人生を大きく変えてきた場所でもあります。
ただ、私にとって北京にいることは日常のひとコマであり、それだけで心が動くことはありません。大事なのはそのことを正しく認識し、他の人たちの感動や喜びをじゃましないことです。余計なひと言が多いタイプなので、気をつけたいところです。
もちろん嘘をついて大げさに喜ぶようなことはしません。気をつけるのは冷めたような言動をとらないこと。初めての人が興味を示しそうなものをスルーしないことです。それでいて、北京についての知識を嫌味なく伝えられたら最高です。
そのためには、私自身がもっと北京について知らなくてはいけません。北京の変化が早すぎるのもあって、まだまだ知らないことがたくさんあります。知らないことをひとつずつ減らしていくこと。それが万里の長城マラソン参加者を増やすための必須項目。
ただ、そのためには万里の長城マラソン以外でも北京に来ておく必要があります。マラソンが絡むと、単独で動ける時間はほとんどありません。だから、マラソン大会とは関係なしで北京に来ることが次の課題のひとつです。
幸い北京まではスプリング・ジャパンのフライトがあるので、平日であれば格安料金で移動できます。その環境は整っているので、あとは自分自身で覚悟を決めてやるだけです。9月あたりにふらっと北京に戻ってくる。そんな選択肢も用意しておくとします。