歩くと走る:ランナーはなぜ走ってケガをするのか

飽き性の私がランニングだけは続けられている理由のひとつが「1人でできる」ということです。ライティングが続いているのも、やはり「1人でできる」ことが影響しています。団体行動が苦手なわけではありませんが、団体行動をすると、自分のことができなくなるタイプ。

良いか悪いかは別として、つい周りを見てしまう癖があり、自分のことよりも周りの人のことをゆうせんしてしまいます。それが嫌というのではなく(誰かの役に立てることは心から嬉しく思います)、それ以上に自分のやりたいことに集中している時間が好きなだけです。

だから基本的には1人行動をするわけですが、1人の時間は常に何か作業をしているか、考えごとをしています。考えることはそのときどきで違いますが、突然、落雷のように「答え」が降ってくることがあります。それまでの思考とはまったく脈絡もなく、それはやってきます。


機械設計のように、頭の中で何度も構築と破壊を繰り返して正解を見つけるのとはまた違った感覚で、そもそも答えを求めていたかすら怪しいことに対する答えが目の前に現れます。同じようなことが他の人にも起きるのかどうかは知りません。

今回降ってきたのは「歩く」と「走る」の違いです。歩くと走るの違いは、「両足が宙に浮いている瞬間があるかないか」です。ただそれは定義の話であり、自分の中ではしっくりきていないところもありました。それだけでは、ランニングをうまく説明することはできません。

ずっと頭の片隅でモヤモヤしていたのですが、急に答えが降ってきました。「着地の反動を起点に次の1歩を生み出すのがランニング」という答え。ウォーキングは蹴り出しによって前へ進みます。動物の太ももが発達しているのは、蹴り出すのに大きな力が必要だからです。

そして多くの人は、ウォーキングの延長としてランニングを行います。蹴り出しをきっかけに太ももから始動するから、ふくらはぎが振り子のように後からやってきて、筋肉のつき方や骨格によって捩れが生じ、膝を痛める。

でも、着地したときの反発を起点に走れば、太ももとふくらはぎを同時に動かすことができるので、捩れの発生を防げます。そして太ももの筋肉で足を持ち上げないから、長い距離を走ってもそれほど疲れません。もちろん、反発に耐えられる脚作りは必要ですが。

この答えは、私がこれまでパーソナルトレーニングで教えてきた理論や動きの、最後のワンピースとなりました。これまでも、生徒さんはそれぞれに結果を出してくれていましたが、私の中で言語化できていなかった部分もありました。でも、これで完成しました。


よく考えてみれば、裸足ランニングでケガをしないことも、足裏を起点にしている(起点になっている)ことが理由だとわかります。裸足で足裏が敏感になっているのと、意識が足裏に集中しているから、走りの起点が足裏になるわけです。だから膝が捻れずケガをしない。

ランニングシューズを履くと、足裏は鈍感になります。そして、反発を推進力や起点にするなんて考え方を知らないから太ももで走ってしまいケガをする。そしてスピードも出せないから、サブ4くらいが多くのランナーにとっての大きな壁になってしまうわけです。

こういう気づきがあるからランニングはやめられません。そして1人で走ることも。これで理論のベースはほぼ固まったので、後は言語化して文章にするか、もしくは動画にするかしてオープンにするだけ。ただこれは時間がかかるので、小説を書いた後にするとしましょう。

著:池田光史
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