坂道:アスリートから探求者へ

4月末から怒涛の1ヶ月だったこともあり、昨日は完全休養の1日としました。朝は目覚ましもかけず好きなだけ寝て、近所のスーパーに買い物に行く以外には外出もせず、ほとんどパソコン作業で1日を終わらせました。

本当なら作業もなしにしてプラモデルでも組みたかったですが、手つかずの案件がいくつかあるので1日家にいられる日を使わない手はありません。モチベーションは高いので、これまでなら夕方にでも走りに行っていたところですが、今の私に必要なのは休むこと。

今週も土曜日まで予定が埋まっており、まだまだ落ち着きはしませんが、次のレースまでは1ヶ月くらいあるので、数週間は無理のない範囲でのトレーニングにして、とにかく体力を回復させることを最優先にするつもりです。


6月からは、トレーニング方法を大きく変えていきます。昨年まではとにかく距離を積むトレーニングをしてきましたが、ターゲットがフルマラソンでなくなったので、月間走行距離はそこまで重要ではなくなります。それよりも、坂道や階段への適応が必要になってきます。

このため、これからのトレーニング場所は善波峠と大山に向かうトレイルになります。足を鍛えるのも目的のひとつですが、坂道や階段を軽々と駆け上がるための走り方を模索するというのが、坂道やトレイルで練習する最大の理由になります。

常識にとらわれないトレーニング方法、常識にとらわれない走り方を見つけたいというのが、私のモチベーションになっています。自分だけの駆け上がり方が見つかったらかっこいいじゃないですか。身体能力で負けている部分を技術で凌駕する。まさにロマンです。


箱根駅伝には「山の神」と呼ばれる選手がいます。第5区の箱根路を走る選手の中でも、圧倒的な速さで走る選手のことをそう呼ぶのですが、山の神に対してずっと違和感がありました。あまりにも他の選手とスピードが違いすぎて、どうも腑に落ちないでいました。

ただ走力が高いわけでなく、上り坂への適応力が優れているのですが、具体的に他の選手と何が違うのかは語られることはなく、ずっと本人の資質のようなもので片付けられてきました。でも、実際には上り坂を走るコツや技術は間違いなくあります。

それらについて、感覚だけでなく科学的な知見も活用して自分だけのスタイルを築いていくというのが、これから1年かけてやるべきこと。ただ、筋力は必要になりますし、ベースとなるスピードも重要。なので筋トレは変わらず続けていきます。


フルマラソンだけがマラソンじゃないと言ってきましたが、そうは言いながらも、これまでは「フルマラソンこそ最上位」という気持ちがどこかに残っていました。でも、ここにきてようやくその気持ちが吹っ切れました。大事なのは楽しめるかどうかということ。

少なくともフルマラソンで達成感を得たことは1度もなく、すべてを出し尽くせたと言えるレースも片手で足りる程度。でもここ最近の階段や坂道では、きちんと出し切れていて、そこに気持ち良さを感じています。だから、そこを自分のフィールドとしたわけです。

ここまではアスリートであることを目指して走ってきましたが、ここからは探求者。大事なのは自分だけのスタイルを確立すること。剣の道を極める武士のように、走りの道を極めるランナーになる。きっとそこから開ける道がさらにあるはずですから。

著:今井 むつみ
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